50代からでも間に合う?厚生年金を10年追加で払った場合の年金額の変化と働き方の判断基準

年金

年金受給額が少ないかもしれないという不安は、50代を迎えた多くの方が感じている悩みです。これまで扶養内で過ごしてきた方が、「今から10年厚生年金を払って働けば、年金額はどれくらい増えるのか?」という問いは非常に現実的です。本記事では、年金額の増加見込みを具体的な数値で解説しながら、体調やライフプランに合わせた働き方の選択肢を紹介します。

現在の加入状況と見込まれる年金額の概要

これまで厚生年金に加入していた期間が約8年ある場合、将来的な年金額は老齢基礎年金(満額で約80万円/年)に加えて、わずかな厚生年金分が加算される形となります。扶養内での期間は第3号被保険者としてカウントされ、基礎年金には影響しますが、厚生年金部分は増えません。

仮にこのまま追加で厚生年金に加入しなければ、将来受け取る年金は年間約90万円〜100万円(月7.5万〜8.5万円)程度になるケースが多いです。

10年間フルタイム勤務で年金はいくら増える?

例えば、月収が19万円〜22万円で厚生年金に10年間加入した場合、1年間の厚生年金報酬比例額は以下のように試算されます。

  • 月収20万円×12ヶ月×10年=2,400万円(総報酬)
  • 厚生年金の報酬比例部分:2,400万円×5.481/1,000=約13.2万円/年

つまり、厚生年金分だけで年間約13万円(月額で約1.1万円)の上乗せが見込めます。

年金全体で見ると、基礎年金(約80万円)+厚生年金(13万円)=約93万円/年 → 月7.7万円 → 追加10年後は月約8.8万円へ増加、というイメージです。

年金の増額額は「微増」だが、長寿リスクには備えになる

月に約1.1万円の上乗せは大きいとは言えませんが、10年で得られる累計受給額は仮に85歳まで生きた場合で40万円以上の差になります。また、配偶者に先立たれた際に頼れる自分の年金を少しでも増やしておくことは、長期的に見て大きな安心材料になります。

寿命が長くなる時代において、毎月の1万円の差は将来的な生活費の「余裕」と直結します。

体への負担と収入のバランスを考えた働き方の提案

自病や体力的な問題がある場合、無理なフルタイム勤務は避けたいところです。フルタイムが難しい場合でも、社会保険適用となる週20時間以上の勤務で月収88,000円以上を目指せば、厚生年金に加入可能です(通称「106万円の壁」超え)。

これにより、負担を抑えながらも年金の上乗せ効果は維持できます。たとえば週4日・1日5時間勤務などでも条件を満たす可能性があります。

扶養内パートとフルタイム勤務の損得比較

項目 扶養内(年収130万円未満) フルタイム(年収220万円想定)
年金加入 基礎年金のみ(第3号) 基礎+厚生年金
年金増加見込み 微増 月額+約11,000円
健康保険・年金の自己負担 なし あり(年約30万前後)
体の負担 やや多

長期的に見ると、年金額で上乗せされるフルタイムのメリットはありますが、体力や健康状態、他の収入・貯蓄とのバランスを見ながら決めることが重要です。

まとめ:健康と安心のバランスをとった選択を

50歳から10年間フルタイムで厚生年金を払って働くことで、月あたり1万円前後の年金上乗せが見込まれます。数字としては「微増」かもしれませんが、長い老後生活を考えると決して小さな差ではありません。

一方で、自分の体調や生活の質も大切です。フルタイムにこだわらず、週20時間・月9万円以上の「社会保険付きパート」という選択肢も視野に入れることで、無理なく年金を増やすことが可能です。

無理なく、でも着実に未来の安心を積み上げる働き方を、自分の生活スタイルにあわせて選びましょう。

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