海外旅行保険や外資系の医療保険に加入すると、保険証券や説明書で見慣れない用語を目にすることがあります。特に「R&B(Room and Board)」や「Overall Limit」といった英語表記は、理解せずに放置すると、いざという時のトラブルにもつながりかねません。この記事では「R&Bとは何か?」を中心に、医療保険における用語の意味をわかりやすく整理してご紹介します。
医療保険におけるR&B(Room and Board)の意味
「R&B」とは「Room and Board」の略で、直訳すると「部屋と食事」を意味します。保険の文脈では、入院時の病室代や病院が提供する食事・日用品にかかる費用を指します。
たとえば、1泊1万円の4人部屋に入院した場合、この1万円分が「Room」に、病院食やアメニティが「Board」に該当します。保険契約で「R&B:1日あたり8,000円まで」などと定められていれば、それを超える金額は自己負担となります。
R&Bに該当する費用と対象外の費用の違い
対象となる費用の例は以下の通りです。
- 病室利用料(一般病棟・個室など)
- 入院中の食事提供費用
- ベッド周辺の生活用品
一方、R&Bに含まれない主な費用は。
- 手術費や検査費
- 投薬費(薬剤費)
- リハビリや処置に関する費用
つまり、R&Bはあくまで「生活インフラ」の側面をカバーする補償枠です。
Overall Limitとは何か?
「Overall Limit」は、保険で補償される医療費全体の年間上限金額を意味します。たとえば「Overall Limit:年間100万円」と記載されていれば、どんな病気・入院・治療であっても、その保険年度で保険会社が支払うのは100万円までです。
R&Bが1日単位での限度額であるのに対し、Overall Limitは「すべてを合わせたトータルの上限」と理解してください。
実例でわかる!R&BとOverall Limitの関係
例:1日1万円の個室に5日入院し、食費や備品代含めてR&Bが合計6万円。手術代や投薬費が20万円だった場合、R&B枠で6万円、医療費枠で20万円、合わせて26万円が請求されます。
このとき、保険証券に「R&B:1日あたり1万円まで」「Overall Limit:年間30万円まで」とあれば、どちらの条件も満たしているため、全額補償される可能性があります。
保険を選ぶ際にR&Bの金額設定は重要?
はい、非常に重要です。特に東南アジア諸国や都市部の私立病院などでは、個室代や食事費が高額になりやすく、R&Bの上限を超えるケースが見られます。
実際に、タイ・バンコクの私立病院では1泊15,000円以上の個室が主流で、R&Bが8,000円/日では大きく自己負担が発生することになります。
まとめ:R&BとOverall Limitは併せて確認しよう
医療保険における「R&B(Room and Board)」は、入院時の病室代や食事・生活費を補償する項目です。そして「Overall Limit」は、保険会社が年間で支払う補償額の合計上限を意味します。
これら2つの項目は補償内容を正確に把握する上で不可欠な用語です。保険証券やパンフレットに表記されている金額が十分か、滞在先や予定される治療内容に照らして確認しておきましょう。
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