60歳定年後の働き方で年金額はどう変わる?年収と年金の関係をわかりやすく解説

年金

定年退職後に働き方をどう選ぶかによって、65歳から受け取れる年金額には意外な差が生まれることがあります。60歳で退職するケース、再雇用で62歳まで働くケース、そして65歳まで働き続けるケースでは、将来の生活設計にも影響を与える可能性があるため、自分にとって最適な選択を理解しておくことが重要です。

年金の基本:納付期間と平均標準報酬が影響

厚生年金の受給額は「保険料納付期間の長さ」と「平均標準報酬額(給与)」によって計算されます。つまり、長く働き続けるほど、年金額も基本的には増加します。

特に60歳以降も厚生年金に加入して働くことで、年金の受給資格期間が延びたり、報酬比例部分が上積みされたりするため、年金額の増加が見込めます。

ケース別の年金額の目安と比較

■ 60歳で完全退職した場合:
厚生年金の納付は60歳で終了。65歳時点の年金額は、それまでの加入期間と報酬による。

■ 62歳まで再雇用で働いた場合:
厚生年金加入がさらに2年間延びるため、年間で約1.5〜2万円の年金増額が期待できます(合計で年3〜4万円程度上がる可能性)。

■ 65歳までフルに働いた場合:
5年間の上乗せにより、年間5万円以上増加することも。個人差はありますが、最大で月4,000〜5,000円ほどの年金アップも見込めます。

実際のモデルケースをシミュレーション

たとえば、年収500万円で40年間勤務したAさんの場合。

  • 60歳退職:年金月額約16万円
  • 62歳まで再雇用:月額約16.5万円(年間6万円増)
  • 65歳まで勤務:月額約17.2万円(年間14.4万円増)

このように、わずかな延長でも年金額に差が生じることがわかります。

働きながら年金を増やす「在職老齢年金」制度にも注意

60歳以降も働きながら厚生年金に加入している場合、「在職老齢年金」制度により、一時的に年金の支給が減額されることがあります。ただし、その分は後に「年金額の再計算」により反映されるため、長期的には損にならない仕組みです。

特に65歳未満では、賃金と年金額の合計が一定額を超えると支給が調整されるため注意が必要です。

退職後のライフプランと相談して決めるのが正解

健康状態やライフプラン、貯蓄状況を踏まえて、自分にとって最適な退職時期を選ぶのが大切です。年金の受給額を最大化することも重要ですが、それ以上に「働ける体力・精神力」や「家族との時間」も大切な要素です。

また、年金定期便やねんきんネットを活用すると、将来の年金見込み額を事前に把握することができます。

まとめ:定年後の働き方が将来の年金に影響する

60歳定年で退職するか、再雇用や継続雇用で働き続けるかによって、65歳からの年金額に差が出ます。月額で数千円〜1万円以上違ってくることもあるため、将来の生活費や退職後の生活スタイルを意識して判断することが大切です。

年金制度は複雑なため、不安がある場合は社会保険労務士や年金相談窓口に相談して、自分のケースに合ったアドバイスを受けましょう。

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