退職後に届いた高額な国民健康保険料の請求書に驚かれる方は少なくありません。特に年金暮らしや収入が減ったタイミングでの負担感は大きく、請求額から過去の年収を推測したくなるケースもあります。本記事では、国民健康保険料の仕組みと年収の関係、そしてその計算に詳しい専門家について解説します。
なぜ退職後に国保の請求が高額になるのか
退職した翌年の国民健康保険料は、退職前の年収を基に計算されるため、多くの場合その金額に驚かされます。国保の保険料は前年の所得に応じて決定され、現在の収入ではなく、あくまで「前年実績ベース」であることがポイントです。
例えば、退職前に年収が600万円あった場合、その年の所得金額に応じて保険料が課されるため、収入が激減しても保険料が高止まりしてしまう構造があります。
国民健康保険料の計算方法と年収の目安
国保料は「医療分」「支援分」「介護分(40歳〜64歳対象)」の3つに分かれ、市区町村ごとに設定された所得割・均等割・平等割の合算で決定されます。所得割部分は所得に応じて変動するため、過去の年収が高いと保険料も比例して高くなります。
たとえば、年収が500万円〜600万円程度のケースであれば、住んでいる自治体によっては保険料が90万円前後になることもあります。具体的な額を知りたい場合は市区町村のWebサイトでシミュレーターを使うと便利です。
退職後の保険の選択肢:任意継続や配偶者の扶養
退職後に国民健康保険へ移行するのではなく、会社の健康保険を任意継続(最大2年)することも可能です。任意継続保険の方が保険料が安く済むこともあります。
また、配偶者が社会保険に加入しており、かつ自身の収入が130万円未満であれば、扶養に入るという選択肢もあります。このように保険の見直しで負担を軽減する道もあるため、事前の検討が重要です。
年収の逆算は誰に相談すべきか
保険料から年収を逆算したい場合は、税理士に相談するのが最も確実です。税理士は所得税や住民税の計算、源泉徴収票からの年収把握に熟知しています。
特に「退職所得」「雑所得」「公的年金控除」など、所得の区分や控除の扱いが複雑なケースでは、専門家によるアドバイスが有益です。国保の保険料の仕組みに明るいファイナンシャルプランナーに相談するのも良い選択です。
実際の例:96万円の国保料から考えられる年収
仮に年間96万円の保険料請求があった場合、推定年収は約600万円〜700万円程度と考えられます。ただし、地域によって保険料率や上限額が異なるため、あくまで概算の目安です。
市区町村の保険料算定表をもとに、前年の所得と照らし合わせることで、より正確な年収推定が可能となります。
まとめ:驚きの請求書には冷静な対処を
退職後の高額な国民健康保険料は、前年の年収が基準であることを理解しておくと冷静に対処できます。将来的に負担を軽くするには、任意継続や扶養など複数の選択肢を検討し、税理士やファイナンシャルプランナーの専門家に相談するのがおすすめです。突然の出費にも慌てず、制度を正しく理解して賢く対応しましょう。
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