ファストフード配達員の任意保険事情とは？業務用保険の仕組みと加入先を解説

マクドナルドやピザチェーンなどの飲食店で働く配達員は、日常的に原付バイクや自転車を使用して業務にあたっています。事故のリスクと隣り合わせのこの仕事では、業務用自動車保険（任意保険）の加入が重要です。では、実際にどの保険会社と契約しているのか、誰がその保険を負担しているのかを探っていきましょう。

業務中の事故に備える保険とは？

配達中の事故に対して補償する保険として一般的に使用されるのが、業務用自動車保険です。これは自家用車や個人向けの任意保険とは異なり、業務中の使用を前提としたリスクをカバーするものです。

例えば、ピザ屋のバイクが信号無視の車に巻き込まれた場合、業務用保険を通じて対人・対物の賠償や従業員の治療費が補償されます。

マクドナルド、ピザハット、ドミノ・ピザなどの全国チェーンでは、多くが法人契約で業務用保険をまとめて加入しています。これにより、従業員個人が保険料を負担する必要はありません。

たとえば、マクドナルドの直営店では、配達用のバイク・自転車に対して自動車保険が一括で適用されており、事故があった場合も店舗側が補償の窓口となります。

一方、フランチャイズ運営の店舗では、保険の加入先や内容に違いがある場合があります。保険会社の選定はオーナーに任されており、東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上などの大手損保が選ばれることが一般的です。

あるピザチェーンの例では、損保ジャパンの業務用自動車保険を導入しており、従業員に適用される範囲が明確に定められています。

すべての配達員が会社の保険に守られているわけではありません。業務委託契約（個人事業主扱い）のケースでは、自分で保険に加入する必要があります。これはウーバーイーツや出前館などと同じ仕組みです。

そのため、バイトの雇用形態が「業務委託」に近い場合は、自身で保険に加入していないと無保険状態でリスクを背負うことになります。

法人契約の保険と個人契約の保険では、補償される内容や上限が異なる場合があります。たとえば、下記のような項目に差が出やすいため、契約内容を確認しておくことが大切です。

マクドナルドやピザ屋の配達員における業務用任意保険は、多くの場合、店舗（企業）が法人契約で加入しているのが一般的です。ただし、フランチャイズや雇用形態によっては個人で加入する必要があるため、事前確認が重要です。

就職・アルバイト前には、「保険に入っているか」「どこまで補償されるか」を採用担当者に尋ねることをおすすめします。