ボーナス(賞与)をもらっても、手取り額が思ったより少ないと感じる方は多いのではないでしょうか。特に「税金で100万円も引かれた!」という声を聞くと、驚かれるかもしれません。本記事では、ボーナスから引かれる税金の仕組みと、なぜここまで差が出るのかをわかりやすく解説します。
ボーナスから引かれる主な税金とは?
ボーナスから差し引かれる主な税金と社会保険料には以下があります。
- 所得税(国税)
- 住民税(地方税)
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 40歳以上なら介護保険料
これらが合計されると、実に賞与額の20〜30%程度、場合によっては40%近くが差し引かれるケースもあります。
ボーナスに対する所得税はどうやって計算される?
ボーナスの所得税は、月々の給与とは異なる計算方式が用いられ、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に基づいて算出されます。これは、社会保険料を差し引いた後の賞与額に対して、標準税率を掛けた金額がそのまま源泉徴収される仕組みです。
たとえば、月額給与が80万円前後で扶養なしの場合、税率は約20〜23%になります。これに加えて住民税や保険料が加わるため、控除額が大きくなるのです。
実例:額面300万円のボーナスで100万円の控除が発生するケース
仮に以下の条件でボーナスが支給された場合の一例を見てみましょう。
- 額面:300万円
- 社会保険料:約35万円
- 所得税:約45万円
- 住民税:約15万円
- その他控除(労働組合費など):5万円
この場合、手取りはおよそ200万円となり、100万円程度が控除として差し引かれることになります。
なぜこんなに差し引かれる?高所得者ほど高くなる仕組み
課税の仕組み上、収入が多い人ほど高い税率が適用されます(累進課税制度)。ボーナスも収入と見なされるため、高額であるほど所得税率が高くなり、控除額が大きくなるのです。
また、社会保険料は上限付きの標準報酬月額に連動しており、賞与支給額に応じた「標準賞与額(上限あり)」に基づき計算されます。
節税や負担軽減の対策はある?
賞与から引かれる税金は完全には避けられませんが、以下のような対策があります。
- ふるさと納税などで住民税の控除を受ける
- iDeCo(個人型確定拠出年金)で所得控除を増やす
- 年末調整や確定申告で適切な控除を受ける(医療費控除など)
また、企業によっては賞与の支給額を分散して支給することで、税負担を平準化する制度を導入している場合もあります。
まとめ:ボーナスでの税引きは高所得の証?正しい理解で不安を減らす
賞与から100万円もの税金が引かれるのは、収入が一定以上ある方にとっては珍しいことではありません。それは、決して「損をしている」わけではなく、収入の多さに比例した税のルールに従った結果です。
税金の仕組みを理解し、合法的な控除制度を活用することで、賢く負担を減らすことも可能です。年に一度は明細と仕組みを見直し、必要に応じて専門家の相談を活用しましょう。
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