ドル建て変額保険は、資産運用と保険の機能を併せ持った商品として人気がありますが、途中解約を検討する際には「いくら戻ってくるのか」が大きな不安要素になります。この記事では、特にプルデンシャル生命などで加入したドル建て変額保険に数年加入した後に解約した場合の目安や注意点について解説します。
ドル建て変額保険の基本的な仕組み
変額保険とは、支払った保険料の一部が特別勘定(ファンド)で運用され、運用実績により将来の返戻金や死亡保険金が変動する保険です。保険料が「ドル建て」であるため、為替リスクと運用リスクの両方を受けます。
このため、解約時の返戻金は「支払った保険料の総額よりも少ない」ケースがあり、特に加入から年数が浅い場合には元本割れしやすい傾向があります。
4年間で支払った保険料に対する返戻金の目安
一般的に、ドル建て変額保険は加入から10年以上の長期運用を前提に設計されています。4年間という期間では、まだ初期費用(手数料や保険コスト)が多く差し引かれているため、返戻率は70〜90%前後となるケースが多いです。
たとえば、総支払額が80万円の場合、返戻金は56万円〜72万円程度が予想されます。ただし、これはあくまで目安であり、以下の要素によって大きく異なる可能性があります。
- 契約時のドル円為替レートと解約時のレート
- 運用ファンドの成績(株式・債券の構成比)
- 解約控除の有無や契約条件
解約時に確認すべき3つのポイント
解約前に必ず確認すべきポイントは以下の3点です。
- 契約内容(約款)と積立金の評価額:保険会社から定期的に届く「契約報告書」に現在の評価額や返戻金額の目安が記載されています。
- 解約控除(スレッドチャージ):契約から一定年数以内に解約すると差し引かれる手数料のことです。年数が浅いほど控除額は大きくなります。
- 為替の影響:円高で契約して円安で解約すれば為替差益が出ますが、逆の場合は損失となる可能性があります。
実際の体験談:4年目で解約した人の例
ケース1:契約時1ドル=110円 → 解約時1ドル=140円
ドル建てで積立額が7,000ドルあり、解約時には140円換算で約98万円に。支払総額は80万円だったため、プラス18万円で解約できたというケース。
ケース2:契約時1ドル=130円 → 解約時1ドル=115円
同じく7,000ドルの積立がありましたが、円換算では80万5千円程度に。支払総額が85万円だったため、マイナス4万5千円で解約となったそうです。
どうしても解約する場合の対処法
資金が必要などの理由で解約を検討している場合は、以下の選択肢も検討してください。
- 一時的な減額や払済保険への変更:解約せずに支払いを停止し、運用だけを継続することで損失を抑える方法です。
- 保険会社への試算依頼:現在の解約返戻金額を保険会社に問い合わせると、最新の評価額を教えてもらえます。
- FP(ファイナンシャルプランナー)への相談:第三者の視点から冷静な判断をサポートしてもらえます。
まとめ:解約には冷静な判断が必要
ドル建て変額保険は、保険と資産運用を兼ねる一方で、解約時には元本割れのリスクもあります。4年という短期での解約は特に損失が出やすいため、まずは契約内容と現在の評価額をしっかり確認することが大切です。
将来的な資産形成を目的とするなら、解約以外の選択肢も含めて慎重に検討しましょう。
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