企業型DCと個人運用年金の違いとは？仕組みと活用法をわかりやすく解説

老後資金の準備が重要視される中で、「企業型DC」や「個人運用年金」という言葉を耳にする機会が増えています。これらは将来の生活を支える大切な制度ですが、似たような名称で混同しやすいため、正しく理解しておくことが必要です。

企業型DC（企業型確定拠出年金）とは？

企業型DCとは、企業が従業員のために掛金を拠出し、その資金を従業員自身が選んだ運用商品で運用していく年金制度です。正式には「企業型確定拠出年金」と呼ばれ、公的年金を補完する私的年金制度の一種です。

運用によって将来の受け取り額が変動する点が特徴で、掛金額は企業が決め、運用責任は従業員にあります。運用成績がよければ老後資金を増やすことも可能です。

「個人運用年金」とは、一般的にiDeCo（個人型確定拠出年金）や個人年金保険など、自ら契約して自ら掛金を支払い、運用するタイプの年金を指します。企業型DCと違い、雇用主ではなく本人の判断で加入します。

特にiDeCoは税制優遇が大きく、掛金は全額所得控除となるため、節税しながら老後資金を準備できるのが魅力です。

企業型DCの中でも「個人運用年金」という表現が出てくることがありますが、これは企業が掛金を拠出したあと、その資金の運用を個人が担うという意味です。運用先を自分で選び、リスクを取ることによって将来の受取額を増やすことが可能です。

例として、定期預金型の元本確保型や、投資信託型のリスク型商品など複数の選択肢があり、自身のリスク許容度に合わせたポートフォリオ設計が重要です。

たとえば、30代で企業型DCを導入している会社に入社し、20年間で月額1.5万円の掛金をバランス型の投資信託で運用した場合、年利3%で運用すれば約540万円以上に成長する試算になります。

このように、企業型DCの「個人運用」は資産形成に大きく寄与しますが、運用リスクの理解も必要です。

企業型DCの「個人運用年金」とは、企業が拠出した掛金を従業員自身が運用する仕組みのことを指します。一方、iDeCoなどの個人運用年金は、全て個人が負担・管理する形です。どちらも税制優遇があり、老後資金形成に有効です。

企業型DCがある方はまずその仕組みを最大限活用し、さらに余裕があればiDeCoなどの個人年金を併用するのも良い選択です。