最近SNSやメッセージアプリなどで、「PayPayを2倍にします」という誘い文句が流行しています。一見お得に見えるこの手口ですが、実は詐欺的な手法であり、関わった側にもリスクが生じる可能性があります。この記事では、こうした取引の法的側面や実際に起こりうる問題点、そして自衛するためのポイントを解説します。
“PayPayを2倍にする”という話の仕組みとは
典型的な手口では、まず少額(例:500円)の送金を持ちかけ、「2倍にして返す」として実際に1,000円が戻ってきます。これにより信頼感を抱かせ、次に5,000円、10,000円といった額を送金させると、そのまま連絡が取れなくなるという構図です。
これは「先に実績を見せることで信用させ、次に大きな金額でだまし取る」という典型的な“取込み詐欺”に近い手法です。
法的に問題があるのは誰か?
このような行為は詐欺罪に該当する可能性があります。刑法246条に基づき、他人を欺いて財物を交付させた者には10年以下の懲役が科せられることがあります。
では、「少額だけ送って2倍にしてもらい、その後の送金依頼を断った側」はどうなるのでしょうか?一見、被害を免れたように見えますが、加害者に加担したとみなされるリスクもあるため注意が必要です。たとえば、相手が詐欺で訴えられた場合、通信履歴や送金履歴が証拠として調査され、関係を問われることもあります。
トラブル事例:SNS上で実際に起きたケース
あるユーザーが500円を送金して1,000円が戻ってきたことで信頼し、次に10,000円を送ったところ音信不通に。その後SNSで同様の被害を訴える投稿が続出し、警察が詐欺事件として捜査に乗り出した例もあります。
また「返金を断ったことでトラブルに巻き込まれた」という事例も報告されています。
こうした誘いに乗ると何が起こるか
- PayPayアカウントの利用制限:不審な送金が繰り返されると、アカウントが停止されることがあります。
- 個人情報の悪用:相手にアカウント名や電話番号を知られることで、他の詐欺に巻き込まれる可能性があります。
- 法的な問題:詐欺関係者として警察から連絡が来る可能性があります。
たとえ自分が“騙されなかった”側でも、違法行為の片棒を担いだとみなされるリスクは否定できません。
未成年・学生・若年層が特に狙われやすい
こうした詐欺は、判断力が未熟な若年層を狙う傾向があります。特に「少しだけ試してみる」という軽い気持ちで関わってしまうと、思わぬトラブルに発展しかねません。
“うまい話には裏がある”というのは、昔からの鉄則です。
怪しい誘いに遭遇したらどうするべきか
もし「PayPayを倍にします」といった誘いを受けた場合は、以下の対応をしましょう。
- 絶対に送金しない
- スクリーンショットを取って保存
- PayPay公式サポートに報告
- 必要に応じて警察へ通報(最寄りの交番またはサイバー犯罪対策課)
まとめ:関わらないのが最善の自己防衛
“PayPayを2倍にする”という取引に応じることは、詐欺の被害者になるリスクだけでなく、加害者とみなされるリスクもあります。少額のやり取りであっても、詐欺の一環と捉えられる可能性がある以上、関わらないことが最善の判断です。
見知らぬ人との送金や取引は、どんなにお得に見えても「送らない・応じない・共有しない」を徹底しましょう。
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