配偶者の扶養内で働きたいと考える方にとって、「年収の壁」や「勤務時間の基準」はとても気になるポイントです。月に数日働くだけでも、場合によっては扶養を外れる可能性があります。特に、月収が88,000円を少し超える程度のケースや、労働時間が週20時間前後の場合には注意が必要です。この記事では、社会保険の扶養の基準や、よくある勘違いについて具体的に解説します。
扶養に入る条件とは?年収と勤務実態の両方がカギ
配偶者の健康保険上の扶養に入るには、基本的に以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 年収が130万円未満(ただし106万円基準の適用対象外の場合)
- 週の所定労働時間が常勤者の3/4未満(概ね週30時間未満)
そのため、たとえば「年収が129万円」であっても、週30時間以上働く場合は扶養に入れない可能性があります。逆に、年収が130万円を少し超えても、労働時間が短く、かつ一時的な増収であれば扶養内と見なされることもあります。
月収88,000円を超えても扶養に入れる場合とは?
月に88,000円を超えると、社会保険の加入が必要では?と心配する方もいますが、実際には「年収130万円未満で、かつ特定適用事業所に該当しない」場合、社会保険の加入義務はありません。
特定適用事業所(従業員101人以上の企業)で週20時間以上勤務すると、106万円以上で社会保険加入対象になりますが、今回のように週20時間未満であれば、たとえ月に90,000円を超えても社会保険加入義務は発生しないのが一般的です。
年収の見られ方:いつからいつまでの収入を計算する?
扶養の認定では、基本的に「今後1年間の見込み年収」が基準になります。6月に扶養に戻った場合、「6月から翌年5月まで」の年収見込みが130万円未満である必要があります。
例えば、6月に扶養に戻った直後に月10万円の収入が続くと、年間120万円を超える可能性があります。その場合は「将来的に130万円を超える見込みがある」と判断され、扶養から外れることもあるため注意が必要です。
社会保険の加入条件:週20時間が重要なボーダーライン
2016年の法改正により、一定の条件を満たす場合にパートやアルバイトでも社会保険に加入する必要が出てきました。以下が主な加入条件です。
- 勤務先が「従業員101人以上」の企業(特定適用事業所)
- 週の労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上
- 2ヶ月以上継続見込み
この4つをすべて満たすと、年収106万円以上で社会保険加入対象となります。逆に言えば、週20時間未満であれば対象外なので、扶養のままで働くことが可能です。
扶養内で働く上で気をつけたいポイント
扶養の範囲内で働きたい場合、次のような点に注意すると良いでしょう。
- 年間収入は必ず管理表などで自己管理:月ごとに収入をチェックして、130万円を超えないように調整する
- 就労日数や時間をシフト前に確認:週20時間を超えると社会保険の加入条件にかかるため注意
- 雇用契約書は必ず保存しておく:勤務条件の証明になるため、保険者からの問い合わせにも対応しやすくなります
また、年の途中で扶養に入った場合でも、その時点から1年間の収入見込みが基準となるため、「年間トータルで129万円以下」を意識して調整しましょう。
まとめ:扶養内勤務は年収と労働時間のバランスがカギ
扶養内で働くには、「年収130万円未満」と「社会保険の加入条件(特に週20時間)」の両面から確認することが大切です。月に88,000円を超えても、週20時間未満であれば扶養のまま働ける可能性が高く、安心して勤務できます。
不安なときは勤務先や健康保険組合に確認するのも一つの手です。計画的にシフトや年収を調整し、無理なく扶養内パートを続けましょう。
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