自動車を2台保有する場合、2台目の自動車保険の等級は原則「新規(6等級)」からのスタートとなるため、保険料が高くなる傾向があります。特に高額な車両を購入する場合、その負担は無視できません。しかし、保険の仕組みを理解すれば、等級をうまく引き継ぐ方法や空白期間の対処策を検討することができます。
自動車保険の等級制度とは?
自動車保険には「ノンフリート等級制度」という制度があり、事故がない年数に応じて等級が上がり、保険料が割引されていきます。新規契約時は通常「6等級」から始まり、事故がなければ毎年1等級ずつ上がっていきます。
たとえば現在、1台目の契約が「7等級」で、次回更新時に「11等級」になる予定であれば、保険料に対する割引率も大きくなり、2台目にその等級を適用できれば大幅なコスト削減になります。
等級の引き継ぎは1契約につき1台が原則
保険等級は1契約に対して1台に適用されるため、基本的には2台目の車は新たに6等級で契約する必要があります。1台目の車の等級をそのまま2台目に移すことは、保険会社の制度上できません。
ただし、特定の条件を満たす場合や、車両の入れ替えや名義変更によって等級を移すことが可能なケースもあります。たとえば、1台目を売却してその保険を2台目に移し替える方法などがありますが、これは事実上「車の入れ替え」とみなされます。
2台目の保険料を抑える工夫と選択肢
2台目の保険を6等級から始める場合でも、以下の工夫で保険料を抑えることが可能です。
- セカンドカー割引:同居家族が11等級以上の保険に加入していれば、2台目を7等級からスタートできる特典です。
- 一時的な車両入替:1台目の契約車を一時的に2台目の車両に入れ替え、等級を移す方法。ただし1台目の車を廃車や売却する必要があります。
- 複数所有新規特則:保険会社によっては、一定条件下で新たな契約を7等級などから始められる制度を用意している場合があります。
特に「セカンドカー割引」は家族で複数台所有している場合に活用しやすいため、保険会社に相談する価値があります。
空白期間をどう乗り切る?8月までの一時的対応
質問者のように、1台目が7月時点でまだ7等級で、8月に11等級になるという場合、7月〜8月の期間だけ一時的に等級が低い保険に入る必要があります。この「空白期間」の対応策としては、次のような方法があります。
- 短期契約(1ヶ月や2ヶ月)の自動車保険:一部保険会社では短期契約が可能な商品を提供しています。
- 仮ナンバーでの運用+納車延期:どうしても等級が上がるまで待ちたい場合は、納車を8月まで延期するという選択もあります。
短期保険の利用はやや保険料が割高になる傾向がありますが、総額としては等級アップ後の本契約の保険料差で回収できる場合もあります。
複数台の保険管理は保険代理店との連携がカギ
等級の管理やセカンドカー割引の適用など、制度が複雑な部分も多いため、複数台保険を検討する場合は保険代理店に事前相談するのが得策です。保険会社によって制度の細かい取り扱いが異なることもあるため、複数社の見積もりや制度比較を行うこともおすすめです。
また、等級を一時的に保留できる「中断証明書」などの制度を利用することで、一定期間保険を中断し、再開時に同じ等級からスタートできる制度もあります(※一時的に車を使わない場合など)。
まとめ:等級の引き継ぎには工夫とタイミングが必要
2台目の車を購入する際の自動車保険の等級引き継ぎは一筋縄ではいきませんが、セカンドカー割引や一時的な入れ替え、短期契約などの制度を活用することで、保険料を抑えることが可能です。
家族の名義や所有状況、納車タイミングなどを含めて、少し工夫をするだけで数万円単位の保険料差につながることもあります。事前に計画的に動くことで、無駄のない保険設計を目指しましょう。
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