「20万円稼いでも手取りは16万円しかない…」そんな疑問を抱いたことはありませんか?実際、日本では給与から引かれる税金や社会保険料の割合が高く、特に若い労働者ほど手取り額にギャップを感じやすい傾向があります。本記事では、その仕組みと背景をわかりやすく解説します。
手取りが少ないのはなぜ?給与明細の仕組みを理解しよう
まず、額面給与と手取り給与の違いを押さえましょう。額面は税引き前の金額、手取りはそこから各種控除を引いた金額です。
20万円の月収の場合、以下のような控除が行われるのが一般的です。
- 健康保険料:約10,000円〜15,000円
- 厚生年金保険料:約18,000円〜25,000円
- 雇用保険:約600円
- 所得税:約2,000円
- 住民税:約5,000〜10,000円(前年の収入による)
これらを合計すると、4〜5万円の控除となり、手取りは約15万〜16万円となります。
社会保険料は何に使われているのか
社会保険料は、決して“取られて終わり”ではありません。将来的な年金受給や医療費補助、雇用保険給付などの財源になっています。
たとえば、健康保険料は、病院にかかる際の医療費の7割をカバー。厚生年金は将来の年金受給額に直接影響します。
ただし、若い世代ほど「今は恩恵を感じにくい」とされ、負担感だけが先行してしまうことも少なくありません。
実際の給与明細の具体例
ある20代会社員Aさん(東京都在住)の2024年5月給与明細。
項目 | 金額 |
---|---|
基本給 | 200,000円 |
健康保険 | 12,000円 |
厚生年金 | 18,300円 |
雇用保険 | 600円 |
所得税 | 2,100円 |
住民税 | 7,000円 |
手取り | 160,000円 |
このように、額面と手取りには明確な差があります。
「おかしい」と感じる背景にある構造的課題
日本の給与体系には、少子高齢化に伴う社会保険料の上昇という構造的課題があります。高齢者の増加により、医療・年金にかかるコストが上がっており、その負担が現役世代に集中しています。
さらに、雇用形態の多様化(非正規雇用の増加)により、所得が低めに固定されている人も多く、手取りの少なさに不満を持つのは自然な感情です。
節税や控除制度を活用して手取りを増やす方法
- iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して所得控除を増やす
- ふるさと納税で住民税を実質減額
- 年末調整・確定申告を忘れずに行い、医療費控除や保険料控除を活用
これらの制度を正しく使うことで、少しでも可処分所得を増やす工夫が可能です。
まとめ:不満は当然、でも知識と工夫で少しずつ改善を
月収20万円でも手取りが16万円程度になるのは、日本の社会保険制度上、決して珍しいことではありません。ただし、「知らないまま損をしている」ケースも少なくないため、給与明細の読み方や控除制度をしっかり理解しておくことが重要です。
制度を知ることは、自分の収入を守る第一歩です。小さな節税でも長期的には大きな差になるため、日頃から意識しておきましょう。
コメント