生命保険の名義変更と返戻金にかかる贈与税の注意点とは?一括解約との違いも解説

生命保険

生命保険の名義を親から子へ変更した際、返戻金の受け取りには思わぬ税金がかかる可能性があります。特に、解約返戻金が一定額を超えると贈与税の課税対象になるため注意が必要です。今回は、一括解約と分割解約の違いや、贈与税の仕組み、適切な対処法をわかりやすく紹介します。

名義変更後の返戻金は「贈与」とみなされる

生命保険契約の名義(契約者)を母から子に変更し、子が解約して返戻金を受け取る場合、返戻金の金額は税務上「贈与」とみなされます。これは母から子への財産の移転と見なされるためです。

たとえば、解約返戻金が90万円であれば、年間110万円の基礎控除以下ですが、他の贈与と合算されると課税対象になる可能性があります。税務署では、細かく贈与の合計額をチェックしているため油断は禁物です。

贈与税の基礎控除とその超過時の課税

贈与税には年間110万円までの基礎控除があり、それを超えた金額に対して課税されます。返戻金が90万円であっても、同じ年に他の贈与(例えばお年玉、祝い金など)を受けていれば、合計額が110万円を超えることもあります。

課税対象になると、10%〜55%の税率が段階的にかかります。仮に総額が120万円であれば、差額10万円に対して税率10%がかかり、1万円の納税義務が生じます。

なぜ保険会社は分割解約を提案したのか?

今回のケースで保険会社が「47万円分を今年解約し、来年に43万円解約」という提案をしたのは、贈与税の基礎控除内に抑えるためです。

これにより2年に分けて贈与を受けた形になるため、いずれの年も110万円以下に収まり、贈与税が発生しないという仕組みです。税負担を回避するための賢いやり方とも言えます。

90万円を一括で解約するとどうなるか

もし90万円を一括で解約した場合、贈与税はかかりませんが、注意すべき点があります。それは、他に同じ年に受けた贈与があると110万円を超える可能性があることです。

また、税務署の見解によっては「生命保険契約の変更と即時解約」による意図的な贈与とみなされ、調査対象となるリスクもあります。

安心して解約するための対処法

  • 保険会社や税理士と相談のうえ、年間贈与額を明確にする
  • 他の贈与と合算して110万円を超えないように注意する
  • できれば分割解約を選択し、税負担を回避する
  • 相続対策も含め、保険の見直しや資産の整理を検討する

こうした対策を取ることで、後のトラブルや税務リスクを回避できます。

まとめ:名義変更後の生命保険解約は慎重に

生命保険を名義変更した上で返戻金を受け取る際は、贈与税の基礎控除や税務上の取り扱いに注意が必要です。一括解約は便利ですが、分割することで税金を抑えられるケースもあります。

自分に合った方法を選ぶには、保険会社だけでなく、税理士など専門家への相談も検討すると安心です。制度を理解して賢く対応しましょう。

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