失業中に雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)を受けている間、家族の扶養に入れるかどうかは気になるところです。特に手当金の金額や受給期間、今後の就労予定によって判断が分かれるため、制度のポイントを正しく理解することが大切です。
扶養に入れるかの判断は「年収」と「雇用保険の手当金」で決まる
健康保険上の「扶養」に入るためには、年間の収入見込みが130万円未満(60歳以上・障害者なら180万円未満)であり、かつ同居している被保険者の収入の半分未満であることが条件です。
ただし、失業手当を受給している場合、保険組合では手当を「収入」とみなすため、月額換算されて一定額を超えると扶養に入れません。
失業手当の金額が扶養可否にどう影響するか
多くの健康保険組合では、失業手当の「基本手当日額」が3,612円以上の場合、扶養に入ることができない運用となっています。これは日額3,612円×30日=月108,360円とみなされ、月収108,000円を超えると扶養不可とされる基準に基づいています。
実例:月139,000円(1日あたり4,633円)の手当を受給している場合、日額3,612円を超えているため、扶養には入れないと判断されるケースが多いです。
受給終了後やパート勤務になった場合はどうなる?
失業手当の支給が終了すれば、その後の収入が130万円未満であれば扶養申請が可能になります。たとえば、就職後にパート勤務で月8万円程度の収入であれば、年収見込み96万円となり扶養に入れる可能性があります。
ただし、就労している場合は「将来の収入見込み」も審査されるため、勤務先の雇用契約書の内容なども提出が求められることがあります。
国民健康保険から扶養に切り替えるタイミングと注意点
扶養に入るには、今まで加入していた国民健康保険を脱退し、会社の健康保険の扶養に入る手続きを行います。その際には、国保脱退証明書や失業給付終了の証明(雇用保険受給終了通知書など)が必要です。
また、審査には通常1〜2週間程度かかるため、切り替え希望日の1ヶ月前から準備を進めておくのが安心です。
各健保組合ごとの基準に注意!協会けんぽと組合健保の違い
「協会けんぽ(全国健康保険協会)」は全国共通で日額3,612円基準を採用していますが、健康保険組合(会社ごと)によって基準が異なる場合もあります。
加入する保険者が「失業手当は収入とみなさない」方針の場合、手当の有無にかかわらず扶養に入れる可能性もあるため、まずは事務所や健保に確認するのが確実です。
まとめ:失業手当中の扶養可否は金額とタイミングがカギ
・失業手当を受けている間は、基本手当日額が3,612円以上だと扶養に入れない
・受給終了後、収入が130万円未満であれば扶養申請が可能
・扶養申請には必要書類や審査期間があるので、早めの準備を
制度上は少し複雑ですが、仕組みを知って正しく申請すれば不利益を防げます。困ったときは加入予定の保険者に確認を取りましょう。
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