会社を退職して個人事業主になる場合、健康保険の切り替えが避けられません。多くの人が「任意継続」と「国民健康保険」のどちらを選ぶべきか悩みます。本記事では、それぞれの特徴や注意点、実際の金額比較などを通じて、あなたにとって最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。
任意継続とは?メリットと注意点
任意継続とは、会社員時代に加入していた健康保険を退職後も最長2年間引き続き利用できる制度です。保険料は原則、会社と折半していた分を全額自己負担になります。
例えば、会社員時代に月3万円だった場合、任意継続後は約6万円に増えるケースもあります。ただし、年収や扶養家族が多い場合は、国民健康保険より割安になる場合もあるため、一概に高いとは言えません。
国民健康保険とは?自治体ごとの違いが重要
国民健康保険(国保)は、個人事業主やフリーランス、自営業者が加入する保険制度です。保険料は前年の所得や世帯人数、住んでいる自治体によって大きく異なります。
具体例として、東京都内のある自治体では、年収500万円・扶養1人の場合、年間保険料が約40〜45万円になることもあります。保険料の計算式は市区町村によって異なるため、必ず自分の自治体で試算しましょう。
任意継続と国民健康保険の比較ポイント
比較項目 | 任意継続 | 国民健康保険 |
---|---|---|
保険料 | 固定(退職時の標準報酬月額に基づく) | 所得・世帯構成・自治体で変動 |
加入期間 | 最大2年 | 制限なし |
扶養制度 | あり(配偶者などの保険料不要) | なし(扶養家族も個別に保険料が必要) |
途中での切替 | 原則不可 | 必要に応じて変更可能 |
特に扶養配偶者がいる場合は、任意継続の方が有利になる傾向があります。国保では扶養の概念がないため、1人追加ごとに保険料が増加します。
年収500万円・妻が専業主婦のケーススタディ
質問者のように年収約500万円で扶養に無職の配偶者がいる場合、次のような比較が考えられます。
例:東京都内で計算(目安)
任意継続:年間約48万円(扶養あり)
国民健康保険:年間約55万円(夫婦2人分)
このように、扶養制度を活用できる任意継続のほうが年間で数万円の節約になることがあります。
加入先を選ぶ前にやるべき3つのステップ
- 退職時の標準報酬月額を確認(保険証や給与明細でチェック)
- 自治体の保険料シミュレーションを利用(自治体サイトや窓口で試算)
- 将来の収入や扶養状況の見通しを立てる(1〜2年以内に収入減が見込まれるなら国保が有利なことも)
また、任意継続は退職後20日以内に申請が必要なため、期限切れに要注意です。
まとめ:任意継続と国保、どちらを選ぶかの基準
退職後の保険選びで迷ったときは、次の3点を重視しましょう。
- 扶養家族がいる場合は任意継続が割安なことが多い
- 収入が減る予定があるなら国民健康保険が柔軟
- 保険料試算は必ず自治体と健保組合の両方で実施
一度選ぶと簡単には変更できないため、損をしないようしっかり比較・試算してから選びましょう。
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