育児休業給付金は、育児休業中の経済的な支えとして多くの方にとって大切な制度です。しかし「11日以上勤務した月が足りない」「加入期間が条件を満たしていない」などの理由で支給されないと告げられることがあります。本記事では、制度の要件を再確認し、申請が通らなかった場合に取れる対応策について詳しく解説します。
育児休業給付金の基本的な受給要件とは?
育児休業給付金を受給するには、主に以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 育児休業を開始した日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある
- その12ヶ月のうち各月に11日以上勤務している、または80時間以上の労働実績がある
この「12ヶ月」のカウントは、原則として育休開始日から遡る形で判断されるため、育休の開始時期が数日違うだけで対象月数に差が出ることもあります。
「11日以上勤務」の月数が足りないと言われた場合
例えば「勤務実績は12ヶ月分あるが、育休開始日から見てカウント対象の月が11ヶ月になってしまう」ようなケースがあります。これは非常に多いトラブルです。
この場合、勤務先とハローワークで「育休開始日を数日ずらせないか」相談することが、状況によっては可能な解決策となることがあります。
実際には、事務側が制度に詳しくなく、間違った説明をされてしまうケースもあるため、書類上の事実を基に自分でハローワークに直接相談してみることが非常に重要です。
育休開始日の定義に注意
育児休業の開始日は原則として「出産翌日から8週間以内に本人が申し出た日」ですが、企業ごとに細かい運用の違いがある場合もあります。また、実際の休業開始日と書類上の育休開始日がズレると、計算に誤差が出ることがあります。
可能であれば、「休業開始日を正式な産休開始日(=産前6週や産後8週)に揃える」ことで要件を満たせることがあります。このような柔軟な判断ができるかは、事業所の理解と対応次第でもあるため、諦めずに交渉する価値はあります。
どうしても受給できない場合の選択肢
どうしても給付金が受け取れない場合は、以下のような公的支援制度や対策の検討も視野に入れると良いでしょう。
- ひとり親支援(母子家庭・父子家庭等)の利用
- 住民税非課税世帯対象の支援金
- 児童手当や出産育児一時金など、他の給付制度との併用
また、事後的に「特定理由離職者」等として再度ハローワークに相談すれば、職業訓練給付金などの他制度を利用できる可能性もあります。
まとめ:育休給付金がもらえない場合は早めの相談が鍵
育児休業給付金は、制度上のルールが非常に細かく定められているため、たとえ「12ヶ月勤務していた」という認識でも、開始日によって満たされないケースがあるのが現実です。
まずは「育休開始日の変更ができないか」「80時間以上勤務の月を含められないか」などをハローワークと相談してみましょう。
冷静に事実を整理し、制度に詳しい専門窓口を活用することで、救済の可能性が見つかることもあります。諦めずに、まずは相談を。
コメント