収入があっても借金返済が生活を圧迫している状態は、精神的にも非常につらいものです。特に住宅や車を維持しながら返済を続けたい場合、「自己破産」ではなく「個人再生」という選択肢が注目されます。この記事では、借金総額が1000万円を超え、毎月の返済が20万円を超えるような状況にある方が、個人再生を検討すべきかどうか、判断のポイントと他の可能性について具体的に解説します。
個人再生とは?基本の仕組みを押さえておこう
個人再生は、裁判所の認可を得て借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で分割返済する法的な手続きです。自己破産とは異なり、車や住宅などの財産を処分せずに済む可能性があるのが大きな特徴です。
たとえば、借金が1300万円ある場合でも、再生基準により約300万円程度まで減額されるケースもあります。これにより、月々の返済額が約10万円前後まで抑えられる可能性があります。
今回のケースで個人再生を検討すべき理由
相談内容の通り、借金総額は1294万円、月々の返済額は208,000円、これに加えて養育費70,000円という支出があります。手取り収入が560,000円あっても、生活費を差し引くとかなり厳しい状況です。
毎月の借金返済に20万円以上かかっている状態で、支払いのためにさらに借金をしているということは、既に自転車操業の状態。今後も利息が増え続け、完済までの道のりは非常に困難と言わざるを得ません。
個人再生を選ぶメリットとデメリット
メリット:
- 借金を大幅に減額できる(5分の1程度まで)
- 一定の条件を満たせば、車や住宅を手放さずに済む
- 利息がカットされる
デメリット:
- 信用情報に事故情報が登録される(いわゆるブラック)
- 官報に名前が掲載される
- 手続きが複雑で弁護士費用が必要
- 車のローンが残っていると、所有権の関係で車を引き上げられる可能性もある
特に今回のように高額な車のローンがある場合、その車を残せるかどうかは「ローン契約の名義」や「所有権留保の有無」によって異なります。
他に考えられる現実的な対処法
個人再生以外の選択肢としては、以下のような方法もあります。
- 任意整理:利息や遅延損害金をカットし、月々の返済額を減らす交渉型の手続き。車を残したい場合に有効。
- おまとめローン:借入先を一本化して金利を下げ、月々の返済額を軽減。ただし借入枠が大きいため、審査が厳しい。
- 支出の見直し:養育費を含む生活費の見直しや、車の売却による負債圧縮なども検討。
ただし、総額1294万円という高額な負債を考えると、任意整理やおまとめローンでは根本的な解決が難しい可能性が高く、個人再生が現実的かつ効果的な選択といえるでしょう。
実際に個人再生を選んだ人の体験談
年収600万円・借金1100万円の方が、弁護士を通じて個人再生を申し立て、借金を約240万円に圧縮。毎月の返済額も20万円から7万円台に減り、精神的な負担が大幅に軽減されたという報告があります。
この方も車のローンが残っていましたが、ローン会社と協議のうえ所有権解除ができ、車を維持しながら再生手続きが完了しています。
まとめ:この借入状況は個人再生を真剣に検討すべき段階
借金の返済が家計を圧迫し、日常生活に支障をきたしている状況では、「個人再生」は有力な選択肢です。現在の借入金額・返済額・収入バランスから見ても、放置すればいずれ延滞や信用事故につながる可能性が高く、早期の専門家相談が極めて重要です。
弁護士や司法書士への相談は無料で行える事務所も多いため、まずは現状の整理と可能性の確認から始めてみてください。人生を立て直すための一歩は、決して遅すぎることはありません。
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