6月の給料から社会保険料が増えた？仕組みと改定時期をやさしく解説

「今月の給料から社会保険料が増えてる…なぜ？」と疑問に思った方は少なくありません。特に6月は、社会保険料に関して気づきやすい変動のあるタイミングでもあります。本記事では、社会保険料（健康保険・厚生年金）がどのように決まり、なぜ増減するのかをわかりやすく解説します。

社会保険料の金額はどう決まる？

社会保険料は、給与額に応じた「標準報酬月額」によって決まります。この標準報酬月額は、毎年4月・5月・6月の3ヶ月分の給与の平均を元に計算され、9月分の保険料（給与から引かれるのは通常8月支給分）から新たな金額が適用されます。

たとえば、4〜6月の基本給が増えたり、残業代が多かったりすると、保険料の負担が翌9月から上がることになります。逆に、給与が下がれば保険料も軽減される可能性があります。

9月からの改定前であるはずの6月に保険料が増えているとしたら、以下の可能性が考えられます。

たとえば、5月に大きな昇給があった場合、その影響で6月支給分から保険料が増えることがあります。

「随時改定」とは、給与に大きな変動があった場合に行われる保険料の見直しのことです。具体的には、固定給に2等級以上の変動があった場合、原則3ヶ月間の平均を取り、その結果に基づいて改定されます。

例：5月に昇給→5〜7月の給与で平均を取り、8月から保険料変更（9月納付分）という流れです。ですが場合によっては、その反映が早まり6月給与に影響するケースも。

保険料率（%）は、健康保険は都道府県によって異なるため、年度ごとの見直しにより保険料が4月以降から少しずつ増減することもあります。また、厚生年金の保険料率は全国一律ですが、会社が保険料率を反映するタイミングによっては変動月が前後することもあります。

毎月の給与明細には、以下の情報が記載されています。

もし不明点があれば、人事・総務担当に「いつの標準報酬月額が適用されているのか？」を尋ねるのが確実です。気軽に聞いて問題ありません。

社会保険料は、基本的には4〜6月の給与を元に9月から改定されます。しかし、昇給や特別な事情がある場合には、6月以前に変更が反映されることもあります。

不安になったときは、まず給与明細と会社の人事担当への確認を。制度を理解すれば、今後の給与設計や手取り額の見通しも立てやすくなります。