毎月の給与明細を確認する際、「ボーナスにも社会保険料がかかるはずなのに、控除がない」と疑問に思う方もいるかもしれません。特に「業績給」「成果給」などの形で支給された場合、その性質によって取り扱いが異なることがあります。この記事では、ボーナスと社会保険料の関係をわかりやすく解説します。
ボーナスにも社会保険料は基本的にかかる
原則として、賞与(ボーナス)は「標準賞与額」として社会保険料の対象です。健康保険・厚生年金保険ともに、賞与に対しても保険料が課されます。ただし、条件によっては控除されないケースも存在します。
たとえば、給与と一緒に支給される「業績給」が賞与とみなされない場合、通常の月給扱いとして処理され、結果として保険料計算の基礎に含まれないことがあります。
賞与と認定されるかどうかがカギ
社会保険料が課されるかどうかの最大のポイントは、「その支給が賞与として届出されているか」です。会社が支給額を『賞与支払届』として日本年金機構に報告していない場合、賞与ではなく給与扱いになります。
この場合、社会保険料は給与分として既に月給で調整されているため、「業績給」には個別に社会保険料が課されないように見えるのです。
所得税は課税対象になる理由
社会保険料が控除されていなくても、所得税は業績給にも確実に課税されます。課税対象はあくまで「所得」全体なので、支給形態を問わず課税されるのです。
たとえば、6月分の給与と業績給が同時に支給された場合、所得税は合算額に対して課税されますが、社会保険料は給与部分のみで計算されている可能性があります。
なぜ社会保険料が引かれていないのか?考えられる理由
- 業績給が賞与ではなく給与扱いになっている
- 会社が賞与支払届を出していない
- 支給月に既に上限等級に達しており加算されない
このような理由があるため、明細上で「社会保険料が増えていない」ように見えることがあります。正確な処理内容を知るには、人事や給与担当者に確認するのが確実です。
実例:社会保険料がかからなかったケース
ある会社では、営業インセンティブとして月末に「業績給」を支給しており、これは賞与ではなく給与に含めて処理していました。このため、その業績給には社会保険料が別途かからないように見え、控除額も月給ベースで固定されていました。
ただし、賞与とみなされる場合には、通常2ヶ月以内に『賞与支払届』を年金機構に提出し、それに基づいて社会保険料が徴収されます。
まとめ:業績給と賞与の区別が社会保険料の有無を分ける
社会保険料がかかるかどうかは、業績給が「賞与」として扱われるかどうかが重要です。会社の報告方法や給与処理方法によって控除内容が変わるため、疑問に思った場合は、給与明細を確認し、必要なら人事部門へ問い合わせるのがベストです。
不正処理のリスクを避けるためにも、納得のいく説明を得ておくことが大切です。
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