お米が高い背景に「中間業者が消費税で儲けているのでは?」という疑問を持つ方は多いです。消費税の仕組みと実際にどこにお金が集まるのかを整理してみましょう。
■ 消費税の基本的構造と転嫁の仕組み
消費税は最終消費者が負担しますが、事業者も一時的に預かる形です。中間業者が請求する消費税はあくまで預かりであり、自らの利益ではないというポイントを押さえましょう。
業者Aが仕入れ価格1,000円に対し110円の消費税を取っても、仕入れ側に110円を支払い、売上計上時に仕入税額控除で相殺されます。
■ 仮に4社を経由した場合の消費税の動き
例として提示されたケースを整理すると。
業段 | 税抜価格 | 消費税(10%) |
---|---|---|
JA→A | 1,000円 | 110円 |
A→B | 1,200円 | 120円 |
B→C | 1,400円 | 140円 |
C→D | 1,600円 | 160円 |
D→消費者 | 1,800円 | 180円 |
ここで中間業者それぞれが納める消費税を計算すると、預かり分-支払い分=納税額となるため、各事業者の利益とは別に税が国に納められます。
■ 中間業者は暴利ではなく、税分は国庫へ
消費税は事業者の売上ではなく、預かり金を国に上納する仕組みであり、業者の利益率(ご質問の数%前半)は実態を示しています。
したがって「中間業者が暴利を得ている」という認識は誤りで、税分は最終的に国に納められるという構造です。
■ 「結局、財務省が儲かっているのか?」について
消費税収は国の一般財源に集められ、さまざまな用途に使われます。直接『財務省が儲けている』わけではないものの、確かに消費税は政府の歳入の大きな割合を占めます。
お米の価格上昇は主に生産コストや需給バランスによるもので、消費税は売上に乗っかる形で最後に上乗せされているのです。
■ まとめ:消費税は最後に回収され、業者は正当な帳簿処理
・業者が消費税を上乗せしているのは預かり→納税の流れで、利益とは無関係
・中間の流通が多くても、税が積み重なるのは事実だが、それは全て国に納められる
・消費税収は政府の収入源だが、特定業者が儲けているものではない
お米の価格高騰の主因は需給やコストの変化にあります。消費税部分は国に納付されているため、中間業者の“暴利”との見方は誤解といえるでしょう。
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