医療費控除は、確定申告を通じて払い過ぎた税金の還付を受けられる大切な制度です。しかし「うっかり申請を忘れていた」という方も少なくありません。結論から言うと、確定申告の期限が過ぎていても、医療費控除の申請は可能です。この記事では、その手続き方法や注意点について詳しく解説します。
医療費控除の申告期限:実は5年間の猶予あり
確定申告は通常、毎年3月15日までに提出する必要がありますが、医療費控除などの還付申告に限っては、申告期限から最大5年間の申請が可能です。
たとえば令和6年分(2024年分)の医療費控除については、令和11年(2029年)の年末までに申請すれば認められます。この制度を「還付申告」と呼び、納めすぎた所得税を取り戻すための申告です。
マイナポータルやe-Taxでの申請は可能か?
マイナポータル連携を利用することで、病院や薬局などの医療費データを自動取得でき、e-Taxからスムーズに医療費控除申告が可能です。申告期限後でも、還付申告であれば同様の手順で進められます。
e-Taxを使う場合は、国税庁の確定申告書等作成コーナーから「還付申告」を選択し、必要な医療費情報を入力・添付してください。申告書はe-Taxで送信するか、印刷して税務署に郵送または持参することも可能です。
医療費控除の申請に必要なもの一覧
- 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)
- 源泉徴収票(勤務先から発行)
- 医療費通知(健康保険組合から送付)
- 医療費の領収書(明細書提出が基本)
- 医療費控除の明細書(Excelテンプレート利用可)
- 振込先の金融機関口座情報
なお、医療費通知に記載のある費用については、領収書の提出は不要ですが、5年間の保存義務があります。
還付申告で注意すべきポイント
還付申告は通常の確定申告とほぼ同様の手順ですが、次の点に注意してください。
- 還付される税金は「所得税」のみ(住民税の調整は自治体に確認)
- 扶養家族分の医療費も合算可(所得要件あり)
- e-Taxを使う場合はICカードリーダーやマイナポータルアプリが必要
また、雑損控除や寄附金控除なども未申請の場合は同時に申告可能です。
例:医療費控除で還付された具体例
たとえば、2023年に年間15万円の医療費を支払ったAさんが、10万円の控除対象額となり、所得税の還付が約2万円あったケースもあります。手間は多少かかりますが、取り戻せる金額を考えれば、やる価値は十分にあります。
まとめ:期限後でもあきらめず、確実に手続きしよう
医療費控除の申告は、確定申告の期限を過ぎていても還付申告として5年間は可能です。マイナポータルを活用したデータ連携やe-Taxでの電子申告を利用すれば、手続きも簡単になります。
体調不良や忙しさで申告を逃してしまっても、今からしっかり準備をして申告すれば、払いすぎた税金を取り戻せるチャンスがあります。制度を正しく活用して、損しないようにしましょう。
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