任意整理を経験した方にとって、「ブラックリストに載っている間はローンもカードも組めない」と聞くと、将来の生活に不安を感じるのは自然なことです。ところがインターネット上では「ブラックでも借りられる」「任意整理後でもOK」といった広告を見かけることがあります。本記事では、こうした広告の真偽や、任意整理後に再びローンやクレジットを利用するために知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
任意整理とは?信用情報に与える影響
任意整理とは、弁護士や司法書士を通じて債権者と交渉し、借金の返済条件を見直す手続きのことです。自己破産や個人再生と異なり、裁判所を通さずに行われるのが特徴です。
しかし、任意整理をするとその情報が信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト入り」となります。信用情報に事故情報が記録されている期間中は、新たにクレジットカードやローンの審査に通ることは難しくなります。
「ブラックでもローンOK」の広告の実態
「ブラックでも借りられる」「審査なし即日融資」といった広告を見かけることがありますが、注意が必要です。その多くは、以下のいずれかに該当します。
- 高金利の中小消費者金融(いわゆる街金)
- 闇金業者
- 紹介屋(手数料だけ取って融資されないケースも)
特に正規登録のない業者から借りてしまうと、法外な利息や違法な取り立ての被害に遭うリスクがあります。金融庁の登録を受けているかどうかを事前に確認することが重要です。
任意整理後にローンやクレジットを再開するには
一般的に、任意整理後に信用情報に残る事故情報(異動情報)は完済後5年間程度で消えます。この期間が経過すれば、再びクレジットカードやローンの審査に通る可能性が出てきます。
以下のようなステップで信用回復を図ることができます。
- 金融機関に返済履歴が残る「携帯料金の分割払い」などで実績を積む
- 信用情報を確認し、事故情報が消えていることを確認
- 最初はデポジット型(担保型)のクレジットカードを使う
たとえば「ライフカードCh」や「アメックスのプリペイド型カード」は、信用回復中の人にもおすすめです。
信用情報の確認方法
自分の信用情報に任意整理の記録が残っているかどうかを確認するには、信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行協会)に開示請求する必要があります。スマホや郵送でも申請可能で、500円〜1,000円程度の手数料がかかります。
信用情報の内容に誤りがある場合は、情報修正の申し立ても可能です。
闇金や怪しい広告に騙されないために
「ブラックでも大丈夫」といった広告には、必ず裏があります。中には本人確認もまともに行わず、利息が年率300%を超えるような違法貸付を行う業者も存在します。
特にSNSやLINEで勧誘してくる業者には絶対に近づかないようにしましょう。一度借りてしまうと、家族や職場にまで取り立てが及ぶ危険性があります。
まとめ:任意整理後も未来は作れるが、焦りは禁物
任意整理後でも、時間が経てば信用情報は回復します。しかし「ブラックでもOK」のような甘い言葉に惑わされず、正規の手順で信用を取り戻すことが大切です。金融庁登録のある業者かどうかを必ず確認し、必要があれば弁護士など専門家に相談するのも良いでしょう。
焦らず、着実に。それが任意整理後の生活を安定させ、再びローンやクレジットカードを利用できる未来へとつながる道です。
コメント