国民健康保険料が高すぎる？負担を軽減するための制度と対策まとめ

年収が減ったのに国民健康保険（国保）の負担が思ったより下がらなかった――そんな声が近年多く聞かれるようになっています。特に医療分、介護分、支援金などの項目が合算されると、年額50万円を超えるケースも。この記事では国保がなぜ高いのかを解説し、負担を軽減するための具体的な制度や対策をご紹介します。

国保が高額になる理由を理解しよう

国保は地域ごとに保険料率が異なり、住民税や所得によって算定されます。また、扶養制度がないため、たとえ一人暮らしでも全額が自己負担になります。

さらに「医療分」「支援金分」「介護分（40歳以上）」がそれぞれ加算される仕組みとなっており、年収が少なくてもこれらの基礎額が一定以上かかってしまう場合があります。

国保の保険料は、前年の所得をもとに決定されるため、今年の収入が減っていてもすぐには反映されません。そのため、前年に一定以上の所得があった人が今年収入ゼロでも、同様の保険料が請求されることがあります。

また、自治体によっては均等割・平等割が強く、所得が低くても一定額がかかる仕様になっていることも一因です。

国保には軽減・減免制度があります。具体的には次のような制度が活用できます。

たとえば、失業した場合や病気で長期間働けなかった場合、「特別な事情による減免申請」が可能です。市区町村役場の国保担当窓口に相談しましょう。

もし就業状況が変わる場合、次のような保険制度も選択肢になります。

たとえば、家族が社会保険に加入している場合、その被扶養者として加入すれば保険料負担はなくなります。収入や同居要件を満たす必要がありますが、申請により保険料の削減につながります。

ある自治体では、年収120万円の単身者が国保料54万円と通知され、減免申請を行った結果、約25万円に軽減されたというケースもあります。

このように、窓口での相談と申請が前提となるため、必ず放置せず、まずは説明を聞いてみることが重要です。

国保は、医療制度の維持のためにも避けて通れない制度ですが、適切な制度利用により負担は大きく変わります。特に収入が不安定な方や単身世帯の方は、所得の変化に応じて定期的に市区町村に相談を行うようにしましょう。

また、地域によっては国保税の仕組みが複雑な場合もあるため、定期的に広報誌やホームページを確認する習慣もおすすめです。

国民健康保険が高額に感じるのは当然のことです。しかし、多くの人が利用できる軽減・減免制度があります。「高いから払えない」と放置せず、まずは自治体に相談し、自分の状況に応じた対策を講じましょう。無理せず、制度を上手に活用することが大切です。