車を手放す際、長年積み上げてきた自動車保険の等級が無駄になるのでは?と不安に思う方は多いでしょう。特に東京海上日動などの任意保険で高い等級を維持してきた場合、将来再び車を購入する際にどう影響するかは重要なポイントです。実は保険には“中断証明書”という仕組みがあり、うまく使えば数年後でも高等級から再スタートできるのです。
自動車保険の「等級」とは?
自動車保険の等級とは、無事故での運転年数に応じて決まるランク制度で、1等級から20等級まで存在します。等級が高くなるほど保険料が割安になり、20等級ならおよそ60%以上の割引が適用されることもあります。
そのため、一度保険を解約してしまうとその等級が失われてしまうのではないかと心配される方が多いのです。
車を売却した後の保険手続き
車を売却した際は、まず保険会社に連絡して契約を中止する必要があります。特に今後しばらく車に乗らない予定がある場合、「中断証明書」の発行を忘れずに申請しましょう。
中断証明書を申請すると、最大で10年間、現在の等級を保存することができます。これにより、再び車を購入した際に等級を引き継いで保険契約を再開することが可能です。
中断証明書の発行条件
中断証明書の発行には、以下のような条件があります。
- 保険契約が20等級などの有効な等級であること
- 保険期間の満了または解約から13ヶ月以内に手続きを行うこと
- 一時的に車の使用を中止する正当な理由があること(売却、譲渡など)
発行された証明書は、10年以内であれば使用可能です。たとえば3年後に再び車を購入する際に、それを使って20等級から再契約できます。
再開時に中断証明書を利用する方法
再び車を購入した際には、新たな車両で保険を申し込むときに、中断証明書を保険会社へ提出します。その結果、以前の等級が引き継がれた状態で契約が再開されるため、新規契約よりも保険料を抑えることができます。
また、再開先が東京海上以外の保険会社であっても、共通制度により引き継ぎが可能です。損保各社で連携しているため、証明書さえ有効であれば問題ありません。
中断証明書の注意点
中断証明書には使用期限(10年)があります。また、手続きを忘れると等級は自動的にリセットされてしまうため、売却後すぐに手続きすることが重要です。
証明書の発行申請は電話やWebだけでなく、書面提出が必要な場合もあるため、保険会社の案内を事前に確認しておきましょう。
まとめ:一時的に車を手放しても等級は守れる
車を売却し、しばらく自動車を所有しない予定がある場合でも、中断証明書を活用すれば大切な等級を最大10年間保管できます。再購入時にも高等級から保険に加入できるため、無駄なく保険料を節約することが可能です。
自動車保険の等級は資産のようなもの。だからこそ、一時的に車を持たない期間がある人ほど、制度を知って有効に活用していきましょう。
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