退職者の健康保険資格喪失手続きを済ませたにも関わらず、企業側に黄色の「資格確認書」が届くケースが一部で発生しています。本記事では、協会けんぽで実際に起きているこの現象について、その原因や対応方法、そして今後の注意点をわかりやすく解説します。
資格確認書(黄色いカード)とは?
資格確認書は、健康保険証の代替として一時的に発行される書類で、保険資格が有効であることを証明するものです。本来は退職後すぐに国保へ切り替えが必要な方などに発行されるケースが一般的です。
しかし、企業で退職処理を適正に行ったにもかかわらず、この確認書が誤って届く事例が2024年頃から散見されており、労務担当者の間でも混乱が広がっています。
なぜ退職者に資格確認書が届くのか?
協会けんぽ側のデータ処理の遅延や不整合が主な原因とされ、実際に協会けんぽも調査中であると公式に案内しています。以下のような要因が想定されます。
- 資格喪失届とデータ登録のタイムラグ
- マイナンバー連携に関する不整合
- 電子申請システム(e-Gov等)の通信不備
また、2023年以降のデジタル化強化に伴い、一部でシステム更新との整合性が取れていない可能性も指摘されています。
協会けんぽから返信用封筒が届いた場合の対応
協会けんぽから返信用封筒が送られてきた場合は、届いた資格確認書をその封筒で返送すれば問題ありません。返送することで、協会けんぽ側がデータの再確認・修正を行い、重複資格の解消につながります。
この対応は本人ではなく、事業主宛に届いた場合も企業側で対応可能です。必要に応じて本人に状況を共有しておきましょう。
同様の事例は複数報告されている
今回のような「退職後の資格確認書の誤発行」は、全国的に複数件報告されています。特に、退職日が月末や土日を挟むタイミングだったケース、電子申請との併用を行っていた企業などで発生しやすい傾向があります。
SNSや労務管理フォーラムでも同様の事例が共有されており、企業としては事象を把握しておくことが今後の混乱回避につながります。
企業の労務担当者ができること
このような事象に直面した場合、以下のような対応をおすすめします。
- 資格喪失届の控えを確認し、提出日や受理日を記録する
- 協会けんぽに詳細を確認し、問い合わせ履歴を残す
- 退職者にも状況を共有し、不安を軽減する
- 同様のケースが続く場合、年金事務所や管轄協会けんぽ支部へ相談する
特に書類控えや電子申請履歴を残しておくことは、トラブル時の重要な証拠になります。
まとめ:協会けんぽの資格確認書誤発行は一時的な事象、冷静な対応が鍵
退職後の健康保険資格確認書の誤送付は、現在協会けんぽ側でも調査中の一時的な不具合とみられています。労務担当者としては冷静に対応し、指示された通りに返送することで問題は解消されるはずです。
社内で同様の事例が複数発生している場合は、再発防止のために申請手順の見直しや申請タイミングの調整も検討してみましょう。
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