交通事故などで自動車保険の等級が下がると、次年度の保険料が大幅に上がることがあります。特に「3等級ダウン事故」の場合、その影響は小さくありません。本記事では、3等級ダウンとは何か、どれくらい保険料が上がるのか、そしてその後の回復方法について詳しく解説します。
等級制度とは?自動車保険の基本を理解しよう
自動車保険には「ノンフリート等級制度」があり、初めて契約すると6等級からスタートし、事故がなければ毎年1等級ずつ上がっていきます。等級が高くなるほど保険料が割引され、事故を起こすと等級が下がって保険料が割増となります。
等級の範囲は1等級から20等級まであり、割引率・割増率は保険会社ごとに微調整があるものの、おおよそ共通の基準に基づいて運用されています。
3等級ダウンの具体的な影響とは
重大事故や過失割合の高い事故を起こした場合、「3等級ダウン事故」として扱われ、翌年は等級が3つ下がります。さらに、事故あり係数という追加の割増が3年間適用されるため、保険料は大きく跳ね上がるのです。
例えば、15等級(事故なし)だった人が3等級ダウンすると12等級(事故あり)となり、割引率は一気に下がるうえ、事故あり係数が乗ることで保険料が30〜50%程度増加することもあります。
保険料はどのくらい増える?実例でシミュレーション
以下は一般的な車両(トヨタ・プリウス、ゴールド免許、年間1万km以内)での保険料増加のシミュレーション例です。
等級 | 年間保険料(目安) | 備考 |
---|---|---|
15等級(事故なし) | 約65,000円 | 通常契約 |
12等級(事故あり) | 約95,000〜110,000円 | 3等級ダウン後 |
このように、事故後は年間で3万円以上保険料が増加するケースが珍しくありません。
保険会社によって保険料はどのくらい違う?
保険料は保険会社ごとにリスク評価や割引・特約の制度が異なるため、3等級ダウン後の影響にも差があります。一部の保険会社では、事故後でも割高になりにくい仕組みを設けていたり、等級プロテクト特約(等級が下がらない特約)を提供している場合もあります。
事故歴がある場合は、保険料が安くなる会社に乗り換えるのも有効な対策の一つです。複数社の見積もりを比較してから契約しましょう。
等級回復にかかる年数とその間の注意点
3等級ダウン後は毎年1等級ずつ回復し、事故あり係数も3年間適用されます。つまり、元の等級・保険料水準に戻るまで最短でも4年かかる計算になります。
この期間は無事故を保ち、できるだけ補償内容を見直すことで、保険料の負担を最小限に抑える工夫が大切です。
まとめ:3等級ダウンは保険料に大きな影響、見直しと比較がカギ
自動車保険の3等級ダウンは、保険料に30〜50%以上の増加という大きな影響をもたらします。保険会社によって条件や影響度は異なるため、事故後は補償内容や保険会社の見直しを必ず行いましょう。
また、事故のリスクを下げる運転習慣を意識し、次年度以降の保険料負担を軽減していくことが賢明な選択です。
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