失業保険(基本手当)を受け取りながら働く場合、「週20時間未満」「1日4時間未満」といった基準を目にする方も多いでしょう。制度を正しく理解することで、不正受給のリスクを避けつつ、安心して就職活動や短時間労働ができます。本記事では、失業認定に影響を及ぼす働き方のルールと、誤解されやすいポイントを整理します。
失業保険受給中に働くことは可能?
失業保険を受け取る条件は「働く意思と能力があり、実際に求職活動をしていること」です。そのため、アルバイトやパートなどの労働は必ずしも禁止されているわけではありません。ただし、ハローワークに報告が必要です。
1日4時間未満の労働なら、その日は失業認定日数にカウントされ、支給額から一部減額されます。一方で、4時間以上働いた日は支給対象外となり、支給日数が繰り下がるだけで減額にはなりません。
週20時間以上の就労は「就職」と見なされる
「週20時間以上」働く契約を結ぶと、「内定・就職した」と判断され、失業状態から脱したとみなされる可能性があります。これは雇用保険加入義務が発生する時間数の目安でもあります。
したがって、週2日×6時間=計12時間といった働き方は、就職扱いには該当しませんが、必ずハローワークの認定申告書に記載する必要があります。
「4時間以上働く日」の扱いと損得の違い
よくある誤解に、「4時間以上働くと損をするのでは?」という疑問があります。しかし、4時間以上働いた日は手当が支給されないかわりに、支給日数は消化されず「先延ばし」されます。つまり、トータルでもらえる金額に差はありません。
たとえば、火曜日に5時間働いた場合、その日は支給されず、その分だけ受給終了日が1日延びるという仕組みです。これを逆手にとって、「働けるときはしっかり働き、無収入の日に手当をもらう」と戦略的に計画を立てることもできます。
アルバイト先にそのまま正社員採用されたら?
バイト先に評価され、正社員として採用されることはめずらしくありません。この場合、ハローワークへの「就職報告」が必要で、以降の失業手当の支給は停止されます。ただし、再就職手当などの給付が受けられる可能性もあるため、忘れずに申請しましょう。
なお、バイトの時点で「就職意志の確認」や「週20時間超の雇用契約」を交わしていた場合、正社員登用前に受給資格を失うリスクがあるため注意が必要です。
働き方と給付のバランスを取るコツ
- 1日3時間以内・週3回など短時間バイトで減額を最小限にする
- 4時間を超える日は「支給対象外」としてスライドさせる
- 雇用契約が変わるタイミングはすぐにハローワークに報告する
このように制度に沿って動けば、収入と失業給付をうまく両立させられます。
まとめ:正しく申告して不正受給を防ごう
失業保険受給中であっても、適切に働くことは可能です。ただし、「1日4時間」「週20時間」のラインを意識しながら、都度ハローワークに申告することが前提です。
正社員登用などライフステージの変化にも対応できるよう、定期的に制度を確認し、必要があればハローワークに相談する姿勢を持ちましょう。
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