新型コロナウイルス対策として導入された「ゼロゼロ融資」は、多くの中小企業や個人事業主にとって資金繰りの大きな支えとなりました。しかし、2回目以降の借入時には「実質無利子」ではない場合もあり、その違いに気づかないまま契約を結んでしまうケースが見受けられます。この記事では、ゼロゼロ融資の利息が発生するケースや、返済時に発覚するトラブル、そして円滑な一括返済のためのポイントを解説します。
ゼロゼロ融資とは何か?基本を再確認
ゼロゼロ融資とは、新型コロナの影響で売上が減少した事業者を対象に、実質的に無利子・無担保で融資を行う制度です。初回の融資では、一定期間(たとえば3年間)利子補給により実質無利子となるケースが多く、金融機関が設定する金利分は国が肩代わりする形で運用されていました。
この制度は日本政策金融公庫や民間金融機関が取り扱っており、初回の条件が非常に手厚かったため、「ゼロゼロ=完全無利子」という誤解が生まれやすくなっていました。
2回目のゼロゼロ融資で利息が発生する理由
2回目のゼロゼロ融資では、初回とは異なる条件が適用されることが少なくありません。特に利子補給制度の対象外となるケースでは、年率0.2%〜0.5%程度の金利が発生します。
実際の契約書や融資決定通知書には、「利率0.23%」などと明記されていることが多く、そこに気づかず「今回も無利子」と思い込んで契約してしまう利用者も存在します。
一括返済時に利息が発覚するケースと対応
毎月の返済額に大きな差が出ないため、利息の存在に気づかないまま返済を続けるケースもありますが、一括返済時には未払い利息の清算が必要となり、そのとき初めて利息の存在に驚くことがあります。
たとえば、1000万円を0.23%の年利で借りた場合、年間2万3000円の利息が発生します。一括返済する際は、元本の残高に対する日割り利息も加算されるため、金融機関にて計算が必要です。
説明不足は「騙された」ことになるのか?
日本政策金融公庫や他の金融機関は、利息が発生する旨を契約書や説明書類に明記しています。口頭説明が簡素であっても、書面で説明責任を果たしていると判断される場合が多いため、「騙された」と感じても法的責任を問うのは難しいケースが多いです。
不安がある場合は、契約時に説明を受けた担当者に再確認し、今後の借入では契約書の読み合わせを丁寧に行うことが重要です。
一括返済をスムーズに行うためのポイント
一括返済を希望する場合は、以下の点に注意しておくと手続きがスムーズです。
- 契約書で利率の有無を確認
- 金融機関にあらかじめ返済予定日を伝え、利息の精算額を見積もってもらう
- 返済金額の入金は指定日より前日までに行う
特に利息がわずかであっても、入金額が不足すると返済が完了しないため注意が必要です。
まとめ:ゼロゼロ融資も2回目以降は内容を慎重に確認しよう
ゼロゼロ融資は大きな支援制度でしたが、2回目以降の条件は必ずしも「完全無利子」ではありません。契約時の説明や書類内容を十分に確認し、一括返済時には金融機関と綿密にやり取りを行うことで、トラブルを防ぐことができます。
思い込みではなく事実に基づいた判断を行い、資金繰りの安定に役立てていきましょう。
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