相続手続きはどこまで必要?複数銀行口座を持っていた故人の遺産整理の進め方

貯金

ご家族が亡くなった際、残された銀行口座の手続きは想像以上に煩雑です。特に複数の銀行に口座がある場合、それぞれに相続手続きが必要か、少額の口座をどうすべきかと悩まれる方は少なくありません。この記事では、相続の現場でよくある状況をもとに、効率的かつ現実的な手続きを解説します。

故人の銀行口座は原則すべて手続きが必要

基本的に、相続発生後、すべての銀行口座は凍結されます。そのため、たとえ数千円しか入っていない口座であっても、相続人による正式な手続きを経なければ引き出すことができません。

各金融機関はそれぞれ独自の書類を要求してくるため、複数口座があると「同じ戸籍謄本のコピーを何枚も取り寄せる」といった手間が発生します。

少額口座の取り扱いは「費用対効果」で判断

相続の対象には違いありませんが、相続人全員の手続きの手間>口座残高となる場合、以下のような判断も選択肢に入ります。

  • 放置して名義変更を行わない(ただし後にトラブルになることも)
  • 相続人代表が自己負担で必要書類を用意し手続きする
  • 払い出しよりも解約の証明だけ取得しておく

例として「残高500円の口座を解約するために戸籍謄本代や郵送費をかけるのは非効率」というケースもあります。

相続人全員の同意が基本。委任状で手続きを効率化

基本的に金融機関の相続手続きには、相続人全員の署名・捺印、戸籍謄本、遺産分割協議書などが必要です。ただし、代表者を立てて委任状を提出すれば、実際の窓口対応を一人に集約できます

たとえば長子が代表となり、他の相続人から委任状を取り付けて一括で解約手続きを行うというのが一般的です。

手続きの流れと必要書類の一覧

主な銀行で共通して求められる書類は以下の通りです。

必要書類 備考
故人の戸籍謄本(出生〜死亡まで) 相続人確定のため
相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明 協議書との照合用
遺産分割協議書 財産の分け方を明記
銀行所定の相続手続き依頼書 窓口またはHPで取得
相続人代表者の本人確認書類 運転免許証など

郵送での対応を受け付けている金融機関も増えていますが、郵送のやりとりは複数回に及ぶこともあるため、事前に電話で確認しておくと安心です。

実際は多くの家庭が「手間をかけて」対応している

「こんなに面倒な手続きをみんなしてるの?」と感じる方も多いですが、実際に相続で親族が亡くなると、ほとんどの方が書類を整えて対応しています

ただし、家族が話し合い、放置する口座を決めたり、専門家(司法書士や行政書士)に依頼して手続きを外注するケースも増えています。

まとめ:費用と手間のバランスを見て柔軟に対応しよう

複数の銀行に口座がある場合でも、原則的には全て相続手続きが必要です。ただし、残高が少ない口座に関しては、相続人で相談し、手続きの優先順位を決めることが現実的です。

「すべて完璧にやらねば」と思い詰めず、家族間で合意した上で効率的に整理していくことが、心の負担を軽くするポイントです。

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