自己破産を考えている、あるいは進行中の方にとって、過去に開設した口座や名義の違うカードがどのように扱われるのかは非常に気になる点です。特に、長期間使用していない銀行口座や、家庭の事情で名義が異なる金融商品の扱いについて、正しい知識を持っておくことが重要です。
自己破産手続きで申告すべき資産の範囲
自己破産を申し立てる際、すべての資産を「申告」する必要があります。これは利用中かどうかにかかわらず、本人名義の資産すべてが対象です。たとえ長らく使っていない口座であっても、存在している限りは「資産」として報告義務があります。
仮に申告漏れがあり、それが故意であると判断された場合、「免責不許可事由」とされることもあります。つまり、借金が帳消しにならないリスクもあるのです。
所在不明の銀行口座はどう扱われるのか
10年以上利用していない銀行口座は「休眠口座」として扱われることがあります。しかし、法的には依然として資産と見なされるため、破産申立時には申告すべきです。
仮に記憶にない、または通帳・カードも紛失していて情報が不明な場合は、「申告できない理由」を破産管財人や裁判所に正直に説明しましょう。意図的な隠匿ではないことを証明する姿勢が重要です。
名義が異なるクレジットカードや銀行口座の扱い
家庭の事情などで、旧姓や通称など異なる名字で作成された口座やカードも、本人の所有物であれば資産として扱われます。破産管財人は、免責調査の一環で信用情報や金融口座の名寄せを行うため、発見される可能性があります。
また、金融機関同士の情報連携や、信用情報機関(JICC・CICなど)の照会によって、異なる名義でも過去の関連性から特定されるケースもあります。
破産管財人はどのように口座を調査するのか
破産申立後に選任される破産管財人は、債務者の資産調査のため、主に以下のような手段を用います。
- 信用情報機関への照会
- 主要銀行への名寄せ調査
- 過去の取引履歴や提出書類の精査
このため、使っていない口座や昔の名義で作った金融商品でも、発見される可能性はゼロではありません。
正直に申告することが一番の防御策
もし記憶にない口座や名義違いのカードがあった場合でも、「わかっている範囲ですべて申告する」ことが重要です。破産手続きでは誠実な態度が最も重視されるため、自己申告の努力は裁判所や管財人の心証にも影響します。
仮に後から見つかった場合も、事前に「このような可能性がある」と伝えておけば、重大なトラブルには発展しにくいでしょう。
まとめ:曖昧な記憶の口座も、申告を意識するのが安全
自己破産手続きでは、本人が忘れている・所在不明の口座や、名義が違うクレジットカードなども、見つかる可能性があります。悪意のない申告漏れであっても、対応を誤ると免責が下りないリスクがあるため、なるべく早い段階で専門家に相談し、正確に情報をまとめておくことが大切です。
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