保険の申し込みや告知事項の確認時に、「他の保険契約等と合算した保険金額が下記金額を超えますか?」という一文を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。一見シンプルな日本語でも、実際に何を確認されているのか戸惑うこともあります。今回はこの文言の意味と、その背景にある保険会社の意図を丁寧に解説していきます。
なぜ「合算した保険金額」が問われるのか
この質問は、加入しようとしている保険単体ではなく、すでに加入している保険を含めた「合計の保険金額」が一定の基準を超えるかどうかを確認するためのものです。
たとえば、すでに死亡保険で3,000万円加入していて、今回新たに2,000万円の保険に入ると合計5,000万円になります。この「合算して何円になるか」が、保険会社にとって重要なのです。
保険会社が合算金額を気にする理由
この確認には以下のような理由があります。
- 保険金詐欺のリスク管理:高額すぎる保険金の支払いリスクを避けるため。
- 引受判断の材料:年齢・職業・収入に対して不相応な金額だと判断されることも。
- 再保険契約の判断:保険会社が一部のリスクを他社に移す再保険の要件。
つまり、申込者のリスクや収入に見合った保険かどうか、全体像を確認したいという意図があります。
実際の保険申込書での記載例と解釈
保険の申込書や告知書には、次のように書かれていることが多いです。
「他の保険契約と合算した死亡保険金額が5,000万円を超えますか?」
この場合、すでに加入している死亡保障(終身保険・定期保険など)の保険金額と、今回申し込む保険金額を足した合計が5,000万円を超えるかをチェックします。
例:現在加入中の保険:2,500万円+今回の申込:3,000万円 → 合計5,500万円 → 「超える」となる。
何をカウントするかに注意しよう
保険金額を合算する対象は、基本的に「死亡時に支払われる保険金」や「高度障害保障金」などが該当します。以下のような保険は基本的に含まれます。
- 定期保険
- 終身保険
- 収入保障保険(年金形式のものを一括換算)
- 一部の医療・がん保険に付帯される死亡保障
逆に医療保険の入院日額や、個人年金保険の将来受取額などは含まないケースがほとんどです。
合算金額を正確に伝えるための準備
複数の保険に加入している場合は、自分の保険内容をあらかじめ整理しておくことが大切です。次のようにリスト化するとわかりやすくなります。
保険会社名 | 商品名 | 死亡保障金額 |
---|---|---|
〇〇生命 | 終身保険プレミアム | 1,000万円 |
△△共済 | 生活保障型 | 500万円 |
このように可視化しておけば、合算金額も正確に把握でき、保険の申し込みもスムーズになります。
まとめ:合算金額の確認は保険加入時の重要ポイント
「他の保険契約と合算した保険金額が〜円を超えますか?」という文言は、申込者の総合的な保障額を確認するためのものです。過大な保険加入がないか、適正な範囲かを見極める基準となります。
自身の加入状況を正しく把握して、正確に答えることが、安心して保険に加入するための第一歩です。分かりにくいと感じた場合は、遠慮なく保険担当者に相談してみるのも良いでしょう。
コメント