精神障害者福祉手帳2級を所持し、現在収入がないという方にとって、毎月の国民健康保険料の支払いは大きな負担です。実際に保険料の減額措置を受けている方も多いですが、「これが最大限の軽減なのか?」「他にも制度があるのでは?」と疑問に思うケースもあるでしょう。この記事では、収入ゼロ・障害者手帳所持者が活用できる国民健康保険料の軽減制度について詳しく解説します。
国民健康保険料の7割軽減とは?
市町村が運営する国民健康保険では、所得の状況に応じて保険料の軽減措置が設けられています。7割軽減はその中でもっとも大きな軽減にあたる区分で、前年の所得が一定以下の世帯が対象です。
7割軽減の基準例:所得が「非課税」または「均等割・平等割の算定基準額未満」である世帯(市区町村によって基準額が異なるため要確認)。
収入がまったくない場合は通常この7割軽減の対象となります。ただし、障害者手帳を持っていることは直接的な軽減理由にはなりませんが、世帯全体の所得に関わる他の減免制度の足がかりになる場合があります。
障害者手帳所持者が活用できるその他の減免制度
精神障害者福祉手帳2級を所持している場合、市町村によっては独自に保険料のさらなる減免制度や控除制度を設けていることがあります。
- 障害者控除適用による所得調整:前年に障害者控除が反映された所得として扱われることで、軽減区分の対象になりやすくなる
- 生活困窮者向け特別減免:災害・失業・長期療養など特別な事情がある世帯向けに自治体が設けているケース
これらは通常、自治体窓口での申請が必要です。申請しないと適用されないことも多いため、必ず確認しましょう。
保険料が年々変動する理由
「前年と同じ条件なのに、保険料が増えている」と感じることもあるかもしれません。これは以下のような要因によって生じます。
- 保険料率の改定:自治体ごとに毎年見直されるため、前年より負担が増加することがあります
- 均等割・平等割の増加:所得がない世帯でも発生する「均等割」は全被保険者にかかるため、人数が多いほど保険料は高くなります
つまり、たとえ前年と同じ所得(ゼロ)であっても、制度上は自動的に保険料が変わることがあります。
実例:都内で暮らすAさんのケース
東京都内在住のAさん(40代・精神障害者福祉手帳2級・無職)は、前年所得ゼロで7割軽減が適用されていました。ところが2024年度の通知では月額保険料が約2,700円から3,200円に上昇。
原因を市役所に確認したところ、「保険料率の引き上げ」と「均等割部分の算定方法変更」が影響していることが判明。さらに調査を進める中で、精神障害者への特別減免制度(独自)があることがわかり、申請した結果、月額1,500円台まで減額されました。
手続きのポイントと注意点
制度を最大限活用するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 毎年4~6月の更新時期に役所へ確認
- 障害者手帳を持参し、他の減免制度の有無を確認
- 申請書は手続きしないと適用されないものが多い
面倒でも、一度しっかり窓口で聞くことで、想定外の負担軽減につながることも多々あります。
まとめ:7割軽減が最終ではない可能性も
国民健康保険料の7割軽減は、低所得世帯にとってありがたい制度ですが、精神障害者手帳所持者や無収入の方には、さらに適用できる減免制度が存在する可能性があります。
「7割減で打ち止め」と思わずに、自治体の窓口で障害者手帳を提示し、あらゆる減免制度の確認を行うことが経済的な負担を減らすための第一歩となります。
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