退職や収入の大幅な減少があった場合、国民健康保険料や介護保険料などの減免制度を活用できることがあります。特に前年の年収が高く、今年から収入が激減する場合は、事前に準備をしておくことでスムーズな減免申請が可能になります。この記事では、収入が激変した際の減免申請に必要な書類と手続きのポイントを解説します。
減免申請の対象となるケース
国民健康保険などの減免制度は、主に以下のようなケースで利用されます。
- 失業、退職、倒産などにより収入が減少した
- 病気や事故により就労が困難になった
- 災害による損失があった
この記事では「前年1500万円 → 今年600万円 → 来年0円」というように収入が大幅に減少するケースを想定して解説します。
減免申請時に必要となる主な書類
減免申請に必要な書類は自治体ごとに多少異なりますが、一般的には以下のような書類が求められます。
- 減免申請書(自治体の窓口または公式サイトで入手可能)
- 前年の所得を証明する書類(確定申告書の控えや源泉徴収票)
- 収入減少を証明する書類(退職証明書、離職票、給与明細など)
- 現在の収入状況を示す資料(失業状態であればハローワークの受給資格証など)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
特に翌年の収入見込みがゼロになる場合、前年・今年・来年の収入推移をできるだけ明確に示すことが重要です。
11月と翌年6月の2回に分けて申請する場合
今回のように、収入が段階的に減少していくケースでは、以下のように申請タイミングを分けて対応するのが効果的です。
①11月:600万円に減収した時点での申請
退職後すぐの11月には「前年1500万円 → 今年600万円への減収」を理由に減免申請を行います。ここでは退職証明書や給与明細、雇用保険の受給資格証明などを提出し、収入減の正当性を証明することが求められます。
②翌年6月:収入ゼロの見込みでの再申請
来年の6月には「収入が完全にゼロになる見込み」で再度減免申請を行います。この場合、収入見込み証明としてハローワークの失業状態を示す書類や、今後の就労予定がない旨の誓約書などを提出することが多いです。
減免の可否や幅は自治体によって異なる
国民健康保険料や介護保険料の減免制度は、全国共通ではなく各市区町村が独自に設定しているため、申請書のフォーマットや必要書類、審査基準に若干の違いがあります。
したがって、まずはお住まいの自治体の保険課に相談し、申請書類の一式を取り寄せたうえで、事前準備を行うことが大切です。
実例:60代男性のケース(A市)
A市に住む60代男性が、前年に不動産収入を含めて年収1800万円だったものの、今年6月に廃業し収入ゼロになったケース。本人は早めに相談し、7月に1回目の申請、翌年5月に2回目の申請を行い、結果として保険料が年額ベースで50万円以上軽減されました。
このように、事前に自治体と連携し、必要書類をそろえて早期申請することが、減免成功の鍵となります。
まとめ:段階的な減収には段階的な申請を
収入が激減する場合の減免申請は、一度きりでなく複数回に分けて行うことが可能です。退職や減収があった直後と、翌年度の収入見込みが確定した時点の2回に分けて申請することで、より適切な減免を受けることができます。
自治体によって詳細は異なりますが、早めに相談し、必要書類を丁寧にそろえることで、無理なく制度を活用することができるでしょう。
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