外貨建て保険、とくにオーストラリアドル(AUD)建ての一時払商品は、為替の動きによって大きく資産価値が変わります。1年前に1AUD=98.23円で契約した場合、現在のレートがそれを下回っていると感じる方も多いかもしれません。本記事では、その為替水準が高かったのかどうか、また今後の見通しと注意点を整理して解説します。
1年前の「98.23円」は高かったのか?
2023年前半〜中盤にかけてのオーストラリアドルは、対円で95〜99円前後を推移しており、98.23円というのは比較的高めの水準に位置していました。
過去5年で見ても、AUD/JPYが100円を超える場面はそれほど多くなく、為替としては高値圏での購入だった可能性があります。
その後の為替動向と現在の状況
2024年以降、オーストラリア準備銀行(RBA)の金利政策や中国経済の減速懸念、資源価格の影響などにより、AUD/JPYは90〜96円前後で安定しやすい傾向が続いています。
2024年末時点で98円を超える場面は限定的であり、1年前の水準より円高(AUD安)に振れている局面が続いています。
今後98円を超える可能性はある?
為替相場は、金利差・資源価格・景気動向など複数要因によって左右されます。オーストラリアの政策金利が再び引き上げられる、または日本の金融緩和が維持されるといった条件が重なれば、AUD高・円安が進む可能性はあります。
ただし、為替は予測が難しく、98円を安定的に上回るには明確な材料が必要です。短期的に戻す可能性はゼロではありませんが、長期戦になる可能性も想定しておくべきでしょう。
為替以外の視点:保険としてのメリット・注意点
外貨建て保険の魅力は、円建て商品に比べて利率が高く設定されやすい点です。たとえ為替差益が出なくても、一定の死亡保障・資産分散という側面でメリットがあります。
ただし、中途解約や為替差損が生じた場合、元本割れのリスクがあるため、為替が不利な時期に無理に解約しない判断も重要です。
もし損を出したくないならどうするべきか
- 中長期で運用を続ける:為替が戻るまで時間をかけて待つ。
- 途中減額などで部分的に利益確定:一部だけ解約して様子を見る。
- 為替手数料の影響を考慮:円に戻す際のレート差(スプレッド)にも注意。
焦って動くのではなく、プラスに転じた時点で一部を解約するなど、柔軟な運用戦略をとることが現実的です。
まとめ:1年前の98.23円は高値圏、今後の回復は慎重に見極めを
1AUD=98.23円で加入した外貨建て保険は、やや高値掴みの水準に位置していた可能性があります。現在の為替水準では若干の含み損となっている可能性もあるため、急な解約ではなく、中長期での回復を視野に入れた運用が基本です。
最終的には、為替の動き・手数料・利回り・保障内容を総合的に判断し、自分のライフプランに合った判断をしていくことが大切です。
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