「今の20代は将来年金をもらえないのでは?」という声は、SNSやニュースでもよく目にする不安の一つです。少子高齢化が進む中で、年金制度に対する不信感は高まっていますが、実際のところ本当に将来年金が受け取れなくなる可能性はあるのでしょうか?本記事では、公的年金制度の仕組みや今後の見通し、そして若い世代ができる対策についてわかりやすく解説します。
そもそも年金制度は破綻するのか?
日本の年金制度は「賦課方式」といって、現役世代が払った保険料で今の高齢者に年金を給付する仕組みです。高齢者が増え、働く世代が減っていく構造では、将来的に財源が足りなくなる懸念があるのは事実です。
ただし、年金制度は法律に基づいた国家制度であり、国が「破綻」させることは極めて考えにくいとされています。実際、厚生労働省の財政検証でも「制度は持続可能」と試算されていますが、その分「もらえる額が減る」または「受給開始年齢が遅れる」などの調整は十分にありえます。
20代が将来受け取れる年金額はどのくらい?
現行制度をベースにすると、フルで加入した場合の平均的な年金額は以下のとおりです。
- 国民年金のみ:月額約5〜6万円(老齢基礎年金)
- 厚生年金あり:月額約14〜17万円(老齢基礎+厚生年金)
これは現在の水準であり、将来的には「所得代替率」が下がる(=賃金に対してもらえる割合が減る)と見込まれています。たとえば、20代の方が65歳になる2040〜2050年代には、平均年金額が数万円単位で減少する可能性もあります。
実際にもらえない人が出るケースは?
年金は「支払い実績」がなければ原則もらえません。以下のような人は注意が必要です。
- 国民年金保険料の未納期間が長い
- 10年以上加入していない(受給資格を満たさない)
- 納付免除を受けたが、追納をしなかった
特に自営業・フリーランスで国民年金に加入している人は、未納リスクが高くなりがちなので、納付状況を定期的にチェックすることが重要です。
若いうちからできる対策とは?
将来の年金だけに頼らず、自分で備える意識が大切です。20代からできる主な対策は以下の通りです。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金を自分で決めて積立、税制優遇あり
- つみたてNISA:長期投資による資産形成が可能
- 企業型DC:勤務先に制度がある場合は積極的に利用
たとえば、月1万円をiDeCoで30年積立てた場合、年利3%としても約580万円の資産が形成され、老後の年金を補完する「自分年金」として活用できます。
「年金をもらえないかも」にどう向き合うべきか
確かに、「将来年金はもらえないかも」と不安に感じるのは自然なことです。しかし制度そのものは維持される可能性が高く、金額が減ることはあってもゼロになる可能性は極めて低いといえます。
大切なのは、「年金=最低限の保障」と割り切って、今から少しずつでも老後の準備をしておくことです。それが将来の安心に大きくつながります。
まとめ:年金はもらえなくはならないが、金額は減る可能性大
今の20代が将来年金をまったく受け取れなくなる可能性は低いですが、受給開始年齢が引き上げられたり、金額が抑えられるといった変化は十分にあり得ます。
そのリスクに備えて、今から「貯める・増やす・守る」力を身につけておくことが重要です。将来への不安を減らすには、知識と行動が最も有効な資産になります。
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