確定給付企業年金(DB)と脱退一時金の扱いとは?転職時に押さえておくべきポイント

税金、年金

転職や退職を経験すると、確定給付企業年金(DB)や脱退一時金の扱いについて疑問を感じる方が多いものです。特に「一時金を受け取った後の移管の必要性」や「iDeCoとの関係」など、制度が複雑に見えることも。本記事では、確定給付企業年金から脱退一時金を受け取った場合の注意点と、次の転職先での対応について詳しく解説します。

確定給付企業年金(DB)とは?

確定給付企業年金(DB)は、企業が退職金の一部を年金として積み立て、退職後に年金または一時金として支給する制度です。企業側が給付額を保証するのが特徴で、社員は退職時にまとめて受け取る「脱退一時金」または将来の年金受給を選択できます。

転職などで企業を離れる場合、一定の条件を満たせば脱退一時金として現金で受け取ることができます。ただし、受け取った時点でその年金資産は一度リセットされると考えてよいでしょう。

脱退一時金を受け取ったらどうなる?移管は必要?

脱退一時金をすでに受け取った場合、その資産は払い出し済みとなり、次の勤務先に資産を「移管」することはできません。つまり、移管手続きは不要であり、新しい職場で新たに確定給付年金制度へ加入することになります。

企業年金連合会を介した移管手続きは「脱退一時金を受け取らずに据え置いた場合」に行われるもので、一時金受給済みであればその対象外です。

iDeCoとの関係はあるのか?

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、企業年金制度がない、もしくは中断した期間などに個人で老後資金を積み立てる制度です。脱退一時金を受け取ったこと自体がiDeCoへの加入資格や手続きに直接関係するわけではありません。

ただし、転職先の制度によってはiDeCoに加入できない場合や、逆に任意で加入できる場合がありますので、会社の人事担当や制度担当者に確認することが重要です。

次の勤務先に伝えるべきこと

転職先で「前職の年金制度の取り扱いについて」確認を受けた場合は、正直に「脱退一時金として受け取っているため、移管資産はない」と伝えれば問題ありません。

実際に企業年金の引き継ぎが可能なのは、制度によって「企業年金連合会」へ資産を預けている状態である場合に限られます。一時金として受け取り済みであれば、その資産の移管対象外であると理解されます。

脱退一時金と税金・将来の備えへの影響

脱退一時金を受け取ると、一定の税制上の優遇(退職所得控除)は受けられるものの、将来的な年金額はその分減ります。つまり、老後資金の備えとしては少し不利になることも。

その場合は、iDeCoやつみたてNISAなど、ほかの自助努力による資産形成でリカバリーしていくことが推奨されます。

まとめ:脱退一時金を受け取った場合は移管不要、新規スタートでOK

確定給付年金の脱退一時金を受け取った場合、その資産は完結済みとなり、新たな勤務先では移管せずに0からスタートで問題ありません。iDeCoとの直接的な関係はなく、税制や今後の年金額への影響を踏まえた上で、自分に合った老後対策を立てることが大切です。

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