仮義足の費用は高額療養費制度の対象になる?協会けんぽ加入者が知っておきたい医療費負担軽減のポイント

社会保険

医療費が高額になる治療や医療用装具を受けた際、頼りになるのが「高額療養費制度」です。特に仮義足のように一時的でも費用が大きい場合、どの制度が適用され、いくら戻ってくるのかは気になるところ。この記事では、協会けんぽ加入者が仮義足を装着する際に知っておくべき制度や還付の仕組みについて、わかりやすく解説します。

仮義足の費用は高額療養費制度の対象か?

仮義足(または義足全般)は、医師の診断に基づいて装着される「治療用装具」として健康保険の対象になります。ただし、その費用が直接「高額療養費制度」によって返還されるのではなく、一度全額を自己負担した後に『療養費(補装具費)』として7割が払い戻されるという仕組みが一般的です。

つまり、仮義足にかかる費用(例:60万円)のうち、健康保険の対象分として約42万円(7割)が後日払い戻される一方、残る18万円(3割)は自己負担ということになります。

高額療養費制度との関係と「合算」のポイント

高額療養費制度とは、月ごとの医療費の自己負担が一定額(自己負担限度額)を超えたとき、その超えた分が払い戻される制度です。ここで注意したいのは、仮義足の自己負担分(3割相当)は、原則として高額療養費制度の対象に含まれないという点です。

ただし、入院・通院の医療費と同じ月に発生した場合は、「世帯合算」できる可能性があります。協会けんぽでは、同じ月に同一世帯で複数の医療費が発生している場合、それらを合算して自己負担限度額を超えた分が払い戻される仕組みになっています。

療養費としての申請方法(仮義足)

仮義足の費用を払い戻してもらうには、医師の証明書、領収書、装具明細書などを揃えたうえで、協会けんぽに「療養費支給申請書」を提出する必要があります。申請から1〜2ヶ月で、保険者(協会けんぽ)から対象額が振り込まれるのが一般的です。

なお、この療養費申請の払い戻しと、高額療養費制度の限度額管理は別管理となるため、個別にそれぞれの制度に申請・確認する必要があります。

仮義足の費用+入院費は合算できる?

仮義足の療養費による自己負担と、同月の入院費自己負担は、一定条件のもとで高額療養費制度の合算対象になることがあります。協会けんぽのガイドラインでは、「入院・外来・薬局・訪問看護等」の医療費が合算対象とされていますが、「療養費(補装具)」は明示されていません。

とはいえ、実際には、事前に保険者へ確認すれば、合算できるか判断してくれるため、不明点がある場合は協会けんぽの支部へ相談するのが確実です。

実例:60万円の仮義足+5万円の入院費だった場合

仮義足代:60万円 → 7割の42万円が後日返還、自己負担18万円
入院自己負担:5万円(3割)
合計の自己負担:23万円

この23万円が、高額療養費制度の自己負担限度額(例:年収約370万〜770万なら月額8万1,000円)を超えていれば、差額分が後日さらに高額療養費として返金される可能性があります。

まとめ:仮義足は療養費として7割返還、合算で高額療養費の対象になる場合も

仮義足の費用は、原則として健康保険による「療養費」の対象となり、7割分が払い戻されます。さらに、同月に入院や通院などの医療費が発生している場合は、高額療養費制度で自己負担分が合算される可能性があるため、損をしないよう確認が必要です。

協会けんぽでは、支部によって細かな運用が異なる場合もあるため、不明点は遠慮せず問い合わせましょう。制度を正しく理解して、医療費負担を最小限に抑える工夫をしていきましょう。

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