事業で5ナンバー車を活用している方の中には、「任意保険に加入を断られた」「見積もりすら出なかった」と戸惑う場面もあるかもしれません。特に個人事業主や小規模運送業者では、この問題に直面することが少なくありません。本記事では、その理由と回避策を詳しく解説します。
そもそも「5ナンバーの事業用車」とは?
5ナンバー車は、一般的に排気量2,000cc以下・全幅1.7m以下などの基準を満たすコンパクトカー等に分類されます。これに「事業用」ナンバー(緑・黒など)が付いた場合、運送や送迎などの営業活動に使用されていることになります。
つまり「事業用5ナンバー車」は、サイズは小さくとも用途としては営業車両扱いであり、保険上はリスクが高めとみなされるケースがあるのです。
任意保険に入りにくいのはなぜ?
- 事故リスクが高いと判断される
営業活動中は長時間運転・走行距離が長く、事故リスクが上がる傾向にあります。 - 使用用途の詳細不明
配達、送迎、訪問サービスなど多岐にわたるため、保険会社が内容を把握できず審査を慎重に行うことがあります。 - 保険会社の引受制限
多くの保険会社では「個人向け(自家用)」と「事業向け」で商品が完全に分かれており、後者は取扱いが少なかったり、専用の法人窓口が必要になります。
実例:個人事業主が断られたケース
ある個人配送業者が、軽ワゴン(5ナンバー)を使用してUberEatsなどの配達を行っていたが、既存の自動車保険会社では「商用車扱いになるため加入できません」と断られたとの声もあります。
別の例では、ネット保険で見積もりを取ろうとしたところ「用途:営業用」で検索した瞬間、該当商品なしという表示になったケースも。
どうすれば加入できるのか?
- 代理店型保険を利用する
通販型よりも柔軟な対応が可能な代理店を通じて相談すると、事業用車両向けの提案が受けられることがあります。 - 法人保険に切り替える
事業用として保険加入が必要であれば、法人名義での契約や「営業用自動車専用保険」に移行するのが確実です。 - 加入可能な専門保険を検討
東京海上日動、損保ジャパン、あいおいニッセイなど、大手損保には営業用・業務用車両向け商品が存在します。
ポイントは「5ナンバー」よりも「事業用かどうか」が保険引受に影響する要素であるという点です。
見積もりの際に伝えるべき情報
保険会社に伝えるべき主な情報には以下が含まれます。
- 使用目的(営業・訪問・配達など)
- 想定年間走行距離
- 使用者の業種と事業規模
- 運転者の範囲(家族のみ・従業員など)
これらを正確に伝えることで、引受可否が明確になり、最適な商品提案を受けやすくなります。
まとめ:断られても選択肢はある
5ナンバーの事業用車両は、保険引受の際に「商用」「業務用」として分類されるため、一般的な自家用車と同じ感覚では加入できません。
しかしながら、代理店型保険や法人向け商品を活用すれば、十分に加入可能な選択肢は存在します。断られてもあきらめず、適切な保険先を探して安心して事業を継続しましょう。
コメント