長年夫婦で1台の車を共有し、自動車保険も夫名義で契約していた場合、離婚後に妻が新たに車を購入し保険を契約する際にはいくつか注意点があります。特に保険の等級(無事故割引)や名義の変更、継承の可否は今後の保険料に大きな影響を及ぼします。この記事では、離婚後に自動車保険を新規で契約する場合のポイントを具体的に解説します。
自動車保険の等級とは?
自動車保険には、加入者の無事故歴などに応じて保険料が割引される「ノンフリート等級制度」があります。初めて契約すると通常は6等級からのスタートですが、無事故を重ねることで最高20等級まで割引が増えます。
つまり、これまで無事故だったとしても、夫名義で保険に加入していた場合、離婚後に自分名義で新規契約すると割引はリセットされ、保険料が高くなってしまうのです。
等級の引き継ぎはできるのか?
結論から言うと、一定条件のもとで等級の引き継ぎは可能です。これを「等級の名義変更(記名被保険者変更)」といい、以下の条件を満たす必要があります。
- 夫婦間であった契約である
- 離婚直後の手続きである
- 旧契約の保険会社に申し出て、保険証券番号や契約内容が確認できる
等級引き継ぎには期日制限がある場合もあるため、なるべく早く手続きするのが理想です。
新しい苗字・名前でも引き継ぎできる?
苗字が変わったとしても、本人確認書類(戸籍抄本や離婚証明など)を添えることで、旧姓とのつながりを証明できます。記名被保険者が同一人物であることが確認できれば、名前が変わっても問題ありません。
また、保険証券番号や契約者情報をもとに、旧契約の保険会社へ問い合わせるとスムーズです。
どの保険会社が良い?等級考慮してくれる会社の選び方
等級を引き継ぎできるかどうかは保険会社によって対応が異なるため、「中断証明書」「等級引継ぎ制度」の対応実績がある大手保険会社を選ぶと安心です。
- 東京海上日動火災保険
- 三井住友海上
- 損保ジャパン
- ソニー損保(中断証明による再開も可能)
また、ダイレクト型(ネット専業)保険でも等級継続の手続きを丁寧にサポートしてくれるところが増えてきています。
車の購入前にやっておくべき準備
車を購入する前に以下の点を整理しておくことで、保険契約がスムーズに進みます。
- 保険の旧契約者情報(保険証券番号など)を控えておく
- 離婚証明や氏名変更の証明書を用意する
- 等級引き継ぎ希望を保険会社に事前相談する
- 購入予定車種をある程度絞っておく
また、車種によって保険料が異なるため、「保険料試算ツール」などを使ってあらかじめ予算を立てておくことをおすすめします。
まとめ:等級を活かしてスムーズな保険加入を
・離婚後でも条件を満たせば等級の引き継ぎは可能
・早めの保険会社への相談がスムーズな手続きの鍵
・氏名変更や旧契約の証明ができるよう準備しておく
・車種選びと保険試算は同時に進めるのがベスト
長年の無事故実績は、保険料の優遇という形で活かすことができます。離婚を機に新しい生活を始める際も、無事故等級という“財産”を上手に引き継ぎ、安心のカーライフをスタートしましょう。
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