2024年12月に予定されている現行の健康保険証廃止を前に、多くの方が「マイナ保険証」に切り替えるべきか迷っています。本記事では、マイナ保険証の概要や利便性、実際の運用状況、そして気になるセキュリティやトラブル事例まで詳しく解説します。
マイナ保険証とは何か?
マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる制度です。医療機関の受付でカードリーダーにマイナンバーカードをかざすことで、保険証の代わりになります。
この制度の導入は、厚生労働省が進める医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環で、オンライン資格確認による効率化や医療情報の一元管理を目的としています。
マイナ保険証の主なメリット
- 医療情報の共有がスムーズ:薬剤情報や健診結果などが医療機関で共有され、より適切な医療が受けられます。
- 転職・引っ越し後も保険証の切り替え不要:手続きが済んでいれば、保険証の更新を待たずにそのまま使えます。
- 確定申告の医療費控除が便利:マイナポータルで医療費情報が確認でき、自動で集計されます。
例えば、引っ越し後すぐに病院へ行ったBさんは、マイナ保険証にしていたことで新しい保険証を待たずに受診ができ、大変助かったと語っています。
マイナ保険証のデメリットと課題
一方で、マイナ保険証には次のような懸念もあります。
- カードリーダー未設置の医療機関がある:特に小規模なクリニックでは非対応のケースがあります。
- 登録ミスや情報連携のトラブル:一部で別人の情報が閲覧できてしまったなどの報道もあり、運用面での不安が指摘されています。
- マイナンバーカードを紛失した場合のリスク:保険証・本人確認の両方の機能が使えなくなるため、再発行の手続きが必要です。
実際、Cさんはマイナ保険証の登録時に誤った情報が連携され、診療報酬の請求ができないトラブルに巻き込まれました。
マイナ保険証の利用状況と普及率
厚生労働省の発表によれば、2024年時点で全国の医療機関の約95%がマイナ保険証に対応していますが、利用率は20〜30%台とまだ伸び悩んでいます。
その背景には、「使い方が分からない」「信用できない」という不安の声が根強くあることも要因です。
結局マイナ保険証は使うべきか?
結論から言えば、今後の保険証廃止を見据えて、マイナ保険証の登録はしておくのが無難です。特に医療費控除や引っ越しの多い方、家族の医療情報を一括管理したい方にはメリットが大きいといえます。
ただし、すぐに利用せず、従来の健康保険証と併用して「様子見」をすることも現実的な選択肢です。
まとめ:制度の正しい理解と自分に合った使い方を
マイナ保険証は便利な制度ですが、完全移行までには一定のトラブルや課題もあります。重要なのは、制度を正しく理解し、自分のライフスタイルや医療の利用頻度に合わせて判断することです。
迷っている方は、マイナポータルやかかりつけの医療機関の対応状況を確認しながら、じっくりと導入を検討してみましょう。
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