生活保護の受給が始まると、これまで支払っていた住民税や国民健康保険料がどうなるのか、不安に感じる方は多いです。実際には、生活保護制度にはこれらの負担を軽減・免除する仕組みがあり、一定の条件を満たすと納付義務がなくなる場合もあります。本記事ではその仕組みや注意点についてわかりやすく解説します。
生活保護と住民税:原則として非課税
生活保護を受けている期間中は、住民税の課税対象から除外されます。これは生活保護受給者の収入が「非課税所得」とされるためです。
ただし、住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、生活保護を受け始めた初年度に限っては住民税の納付義務が残る可能性があります。たとえば、2025年に生活保護を開始した場合、2024年の収入があると2025年度の住民税は課税されます。
住民税が完全にゼロになるタイミング
住民税が完全に課税されなくなるのは、生活保護開始の翌年の1月1日以降も引き続き無収入または非課税所得のままであった場合です。このため、2年目からは多くの場合で住民税がゼロになります。
一方、もし何らかのアルバイト収入などがある場合、それが課税所得となれば、金額に応じて住民税の一部が課される可能性もあります。役所からの通知に注意しましょう。
国民健康保険料は原則免除
生活保護を受けている期間中は、国民健康保険の資格そのものが停止されます。これは医療扶助が適用されるためで、病院にかかる際は生活保護受給者証を提示すれば医療費はかかりません。
このため、国民健康保険料の納付義務も原則的に免除され、支払いが不要となります。すでに未納分がある場合は、一時的に徴収が止まることもありますが、過去分については個別対応が必要になることがあります。
扶助終了後の税・保険料に注意
生活保護を受けている間は税や保険の負担が軽減されますが、生活保護を抜けた後は再び納付義務が発生する点に注意が必要です。
たとえば就職や扶助打ち切り後、一定の所得があれば住民税や国民健康保険料が請求されます。復帰直後は減免や分納制度を利用できるケースもあるので、市区町村の窓口で事前に相談しておくと安心です。
具体的な相談先と手続きの進め方
住民税や保険料の免除・非課税の取り扱いについては、お住まいの市区町村の「税務課」「国保課」「生活福祉課」などが窓口となります。
生活保護の担当ケースワーカーに相談すれば、必要な手続きを案内してくれます。手続き漏れを防ぐためにも、受給開始後すぐに案内された書類に目を通し、疑問点は窓口で確認しましょう。
まとめ:生活保護開始後、住民税と国保料は原則免除
生活保護の受給中は、住民税も国民健康保険料も基本的に免除・非課税となります。ただし、前年所得に基づく住民税の支払いが残ることもあるため、完全に負担がなくなるのは2年目以降が目安です。
将来的に生活保護から自立する際には、再び税や保険料が発生しますので、その時期に向けて収支の見直しや公的支援の相談を行うことが大切です。
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