銀行や消費者金融でローンを申し込むときに記入を求められる「他社借入の有無」や「借入額」。これらの情報は、実際に金融機関側で調べられるのに、なぜ自己申告が必要なのでしょうか?この記事ではその理由と背景を丁寧に解説します。
他社借入の申告欄はなぜあるのか?
ローン申込書の中に「現在の借入状況」を記入する欄があるのは、単に情報を集めたいだけではなく、申込者の自己申告と信用情報を照らし合わせて整合性を確認するためです。
つまり、金融機関側は信用情報機関から借入状況を確認することができますが、それでも自己申告を重視するのは、「自己開示する意思があるかどうか」も審査の一部とされているからです。
信用情報機関で“実際に”分かること
金融機関は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターといった信用情報機関から情報を取得します。
これにより、他社からの借入件数、残高、返済状況(延滞・完済など)、契約日、クレジット利用枠などが明確に把握できます。
たとえば、A社から50万円借りていて、B社のカードローンで30万円残高があるといった情報は、数ヶ月遅れなく登録されています。
ウソをつくとどうなる?審査への影響
仮に「借入なし」と申告しても信用情報機関に借入が記録されていれば、虚偽申告とみなされ、審査にマイナス影響を与える可能性があります。
特に、虚偽があると判断されると「信用力が低い」とされて審査落ちの原因になる場合もあるため、正確な申告が求められます。
他社借入があっても審査に通る?
他社借入があっても、返済比率(年収に対する返済負担割合)が問題なければ、ローン審査に通るケースも多くあります。
たとえば、年収400万円の方が合計100万円の借入をしていても、他に遅延がなければ問題視されにくいという実例も存在します。
申告が重要な理由は“リスク管理”の観点
金融機関は「申込者が自身の借入状況を正しく把握しているか」も重視します。これは、今後の返済において計画的な行動ができるかの判断材料となるからです。
また、申告と照らして大きく乖離がある場合、「多重債務者の可能性あり」と判断され、リスクが高い顧客とみなされるケースもあります。
まとめ
ローン申込時に「他社借入の有無・金額」を書かせるのは、単に調べれば分かる情報だからではなく、申込者の誠実性と信用力を総合的に判断するためです。
金融機関は信用情報を確認したうえで、申告との整合性を見て「信用できるか」を見極めています。正しく正直に書くことが、結果的に審査通過への第一歩となります。
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