扶養内で働き続けるには、収入の上限だけでなく、勤務時間などの働き方にも注意が必要です。特に「週に20時間未満かどうか」は、社会保険上の重要な判断材料の一つです。本記事では、扶養を維持するための条件や、週20時間未満の週がある場合の扱いについて具体的に解説します。
社会保険の扶養に関する基本ルール
社会保険上の「扶養」とは、健康保険の被扶養者に該当し、保険料の負担なしに保険に加入できる状態を指します。扶養に入るためには、以下の条件を同時に満たす必要があります。
- 年収130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)
- 勤務先の従業員数が501人以上かつ、週20時間以上・月額88,000円以上などの条件に該当しないこと
この条件に当てはまらないと、健康保険上の扶養を外れ、被保険者として自ら保険料を支払う必要があります。
「週20時間以上」の判断基準とは
「週20時間」という基準は、パートやアルバイトで働く人が社会保険の適用対象になるかどうかの重要な判断基準です。ここでポイントとなるのは、「一時的に週20時間未満になる週があっても、基本的に週20時間以上働いているとみなされるかどうか」ということです。
判断されるのはあくまで「通常の労働時間」です。つまり、契約上・実態として平均して週20時間以上働く予定である場合、例え1週間だけ19時間であっても「週20時間以上」と見なされる可能性が高いです。
月収88,000円以上かどうかも併せて判断される
月収が88,000円以上であるかどうかも、社会保険の被保険者になるかどうかの大きな基準です。この金額は交通費などを含む「総支給額」で判断されます。
つまり、扶養から外れないためには「月収88,000円未満」かつ「週20時間未満」の状態を継続的に保つ必要があります。一時的に月収が88,000円を超えても、労働時間が20時間未満であれば、状況によっては扶養内に留まれることもあります。
具体的な例で整理してみよう
例1:週に18時間勤務・月収85,000円 → 扶養内に収まる可能性が高い
例2:週に22時間勤務・月収90,000円 → 社会保険の加入対象になる可能性が高く、扶養を外れる見込み
例3:週20時間以上働くが、月収87,000円 → 条件によっては扶養内だが、会社側が保険加入を促す可能性も
週20時間未満の週があれば扶養に残れる?
この点について、重要なのは「週に1回でも20時間未満かどうか」ではなく、「継続的な労働実態」がどうかです。週20時間未満の週が一時的にあっても、契約や実態として20時間以上であれば、扶養から外れる対象とされる可能性が高いです。
一方で、雇用契約書に「週15時間勤務」と明記されており、たまたま数週間多めに働いた場合などは、週20時間未満と見なされる場合があります。
まとめ:扶養を維持するには「平均」がカギ
扶養内で働き続けるためには、「月収88,000円未満」と「週20時間未満」という2つの基準を安定して満たしていることが求められます。
一時的に収入や労働時間がオーバーしただけで即扶養を外れるわけではありませんが、契約上・実態上の平均的な働き方が重要な判断材料となることを意識しましょう。
迷ったときは、勤務先の担当者や健康保険組合に事前に確認をとることをおすすめします。
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