奨学金と車のローンを合わせて借金が1000万円に達するという話は、決して他人事ではありません。教育費と移動手段への投資は一見前向きな選択に見えますが、返済計画や収入状況によっては大きな負担になり得ます。この記事では、奨学金と自動車ローンを合計して多額の債務を抱えた場合のリスク、対策、そして健全な返済のための考え方をわかりやすく解説します。
奨学金と車のローンの内訳と平均相場
日本学生支援機構(JASSO)の統計によると、奨学金の借入総額は平均で約300~400万円と言われています。一方、自動車ローンの平均借入額は新車購入で約250~350万円、中古車でも150万円以上になることが一般的です。これらを複数回利用していたり、高級車などの購入をした場合、合計で1000万円に達するのは珍しいことではありません。
たとえば、私立大学で月額8万円×4年間=約384万円を借り、その後に自動車ローンで新車を500万円、さらに利息を含めると1000万円を超えることも現実的です。
1000万円の債務が家計に与える影響
たとえば、返済期間が20年で利息込みで年利2%と仮定すると、月々の返済額は約5万~6万円になる可能性があります。新卒~若手社会人の給与レンジ(手取り月収18~25万円)では、この負担は大きく、家賃や生活費と合わせると家計がかなり圧迫されます。
総支出の30%以上を借金返済に使っている状態は、一般的に「返済負担が過大」とされます。将来的な住宅ローンや結婚資金、老後資金の蓄えにまで影響を及ぼすリスクもあるため、借金総額の見直しや返済スケジュールの再設計が重要です。
車のローンは「必要か」から考える
車のローンは「必要な移動手段」か「ステータスや嗜好品」かによって位置づけが変わります。公共交通機関が充実している都市部では必須でないケースも多く、見栄や一時の欲求で高額な車をローンで購入してしまうと、結果的に長期間にわたる負債を抱えることになります。
たとえば、月々3万円の返済が5年間続く場合、金利込みで180万円以上の支払いになります。軽自動車や中古車、カーシェアなどの代替手段も十分に検討すべきです。
奨学金は“投資”として回収できるか
奨学金は「将来の収入を上げるための自己投資」と言われますが、それが機能するのは学歴によって収入が大きく伸びた場合です。現在の日本では、大卒と高卒の生涯年収差はおおよそ4000万円前後あるものの、大学の専攻や就職先によっては元が取れない可能性もあります。
重要なのは、奨学金を返済しながらも貯蓄ができる生活設計かどうか。月収のうちいくらが返済に消えてしまうかを正確に把握する必要があります。
1000万円の借金に立ち向かうための対策
- 収入を上げる努力:転職、副業、スキルアップ
- 固定費の見直し:家賃や通信費、車の維持費など
- 借り換えや繰上返済:金利の低いローンへの借り換えや、ボーナス時の返済を活用
- 家族への相談:特に奨学金は親も支援してくれるケースがあります
一人で抱え込まず、専門のファイナンシャルプランナーに相談することも有効です。
まとめ:借金は悪ではないが、戦略が必要
奨学金や車のローンを通じて1000万円の借金を抱えること自体が悪いわけではありません。しかし、それが“回収できる借金”かどうか、返済のめどが立っているかが重要です。
返済不能に陥る前に、家計の見直し、生活レベルの調整、情報収集を行い、「借りてよかった」と思える未来を築いていきましょう。
コメント