パート勤務でも雇用保険に加入できるケースは多くあります。しかし、事業所や勤務実態によって判断が分かれることも。とくに週の労働時間や日数が不安定な方は、加入の可否に悩むことがあるかもしれません。
雇用保険に加入できるパートの条件とは
雇用保険に加入するには、原則として次の条件をすべて満たす必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上継続して雇用される見込みがある
つまり、たとえパートでも上記を満たしていれば、事業主は雇用保険の適用を行う義務があります。
この条件は労働契約書の内容だけでなく、実際の勤務実績で判断されることもあるため注意が必要です。
契約内容と実働時間のズレがある場合
今回のように、契約書では週4日・1日6時間と記載されていても、実際には週3〜4日・1日5時間勤務の状態が続いていると、「週20時間未満」と判断される可能性があります。
ただし、週3〜4日、1日5時間勤務であれば、月15日前後の出勤で月75時間前後となり、週20時間を超える可能性は十分にあります。勤務の実態をもとに、正確な週平均労働時間を計算してみることが重要です。
雇用保険から外れるとどうなる?
雇用保険を外されると、万が一離職した際の失業給付や再就職手当などの支援が受けられなくなるリスクがあります。
また、育児休業給付金・介護休業給付金といった、将来の生活を支える制度も利用できなくなります。したがって、不要に外されるのは避けたいところです。
雇用保険の加入義務があるのに外された場合の対処法
まずは、自分の出勤記録を元に「週の平均労働時間」が20時間以上あるか確認しましょう。紙の勤務表やLINEの出勤連絡、給与明細などを参考にするのが有効です。
週20時間以上の勤務実態があると判断できる場合は、事業主に再度相談し、必要ならハローワークに問い合わせを行うことができます。
厚生労働省の「雇用保険の適用基準に関するリーフレット」も確認してみましょう。
扶養と雇用保険の関係
年収128万円以下で夫の扶養内にいる方でも、雇用保険への加入は可能です。扶養範囲外になるのは社会保険(健康保険・厚生年金)であり、雇用保険は別制度です。
よって、扶養内で働いていても、要件を満たせば雇用保険には入れますし、加入するメリットもあります。
まとめ:労働者としての権利を守るために
パート勤務であっても、条件を満たしていれば雇用保険に加入することができます。勤務実態と契約内容が一致していない場合でも、実際の労働時間で判断されるケースが多いため、出勤日数と時間を今一度見直しましょう。
正当な理由なく外されたと感じたら、遠慮せずにハローワークなどの公的機関に相談することが大切です。あなたの働き方に見合った保障をしっかり受けるためにも、制度について正しく理解しておきましょう。
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