厚生年金を1カ月だけ納めた場合の将来の年金受給資格と注意点

年金

「たった1カ月でも厚生年金を払ったなら将来年金はもらえるの?」という疑問を抱く方も少なくありません。特に障害者雇用など短期間の勤務で退職した場合、年金制度への理解が不安なまま終わってしまうこともあります。この記事では、1カ月だけ厚生年金を納めた場合に将来的に受けられる可能性のある年金や制度の仕組みについてわかりやすく解説します。

厚生年金を1カ月だけ納めた場合の基本的な扱い

厚生年金は、原則として月単位で加入履歴が残り、その期間分の記録が将来の年金額に反映されます。しかし、1カ月だけの納付では単独では受給資格を満たすことはできません。

年金を将来受け取るには、最低でも「10年以上の加入期間(国民年金+厚生年金の合算)」が必要です。つまり、ほかの期間と合算できれば、1カ月でも無駄ではありません。

過去の国民年金と合算されるか

たとえば、20代から30代の間に国民年金を納めていた場合、その記録と厚生年金加入期間は合算されます。この仕組みを通算制度と呼び、受給資格判断時にすべての年金加入履歴が合計されます。

そのため、過去の納付状況次第では、1カ月の厚生年金でも意味がある可能性があります。自分の加入履歴はマイナポータルや「ねんきんネット」で確認可能です。

障害年金という視点でもメリットがある

厚生年金に1カ月でも加入したという事実があれば、その間に病気やケガで障害状態になった場合、障害厚生年金の受給対象となる可能性があります。これは国民年金だけに加入しているよりも手厚い制度です。

実際に、1カ月だけ厚生年金に加入し、直後に病気を発症して障害年金の受給権を得たケースも報告されています。障害者雇用での就業経験がある方にとっては重要なポイントです。

脱退一時金制度も知っておこう

もし今後、日本に住まない、あるいは保険料を追加で納める予定がない外国人などであれば、脱退一時金の請求ができる場合もあります。ただし、日本国籍を持ち、日本に住み続ける予定のある人には基本的に不要な制度です。

なお、脱退一時金を受け取ると、将来その期間分は年金計算から除外されますので注意しましょう。

将来の年金を最大限活かすために

短期間の厚生年金加入も、将来の年金受給に向けて大切な記録となります。特に次のような方は、その1カ月を無駄にしないよう制度の確認をおすすめします。

  • 過去に国民年金を納めた経験がある人
  • 今後も働いて保険料を納める予定がある人
  • 障害状態になるリスクに備えたい人

まとめ:1カ月の厚生年金でも意味はある

厚生年金を1カ月だけ納めて退職しても、その記録は将来の年金制度で活用されます。受給資格には合算が認められるため、過去や将来の加入と併せれば年金受給に近づきます。障害年金の視点でもメリットがあるため、短期間でもその価値を理解し、記録を大切にしておきましょう。

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