「万が一の医療費が心配で貯金ができない」「でも保険に入っていれば安心かも」と考える方も少なくありません。特に終身型の医療保険は保障が一生涯続くため、貯金の代替手段として注目されがちです。本記事では、貯金代わりに終身医療保険へ加入するメリットと注意点を、専門的かつわかりやすく解説します。
終身医療保険とは?
終身医療保険とは、加入から一生涯にわたって医療保障を受けられる保険のことです。途中で更新がなく、一定の保険料を払い続けると、年齢を重ねても保障内容が変わりません。
たとえば30歳で加入した終身医療保険により、80歳で入院しても保障される点が魅力です。また、解約返戻金が付くタイプでは、貯蓄の要素を持つものもあります。
貯金との違いと目的の明確化
貯金は自由に引き出せる一方で、終身医療保険はあくまで医療費への備えです。自由度は低くなりますが、医療費リスクには確実に備えられるという点で、目的が明確な資金確保手段と言えます。
一方、貯金は災害・教育・老後・生活資金など、使い道が幅広いです。つまり「目的に応じて併用する」という考え方が現実的です。
終身医療保険のメリット
- 一生涯保障が続く安心感:高齢期の医療費にも対応可能。
- 保険料が一定:若いうちに加入すれば、保険料負担が軽く済む。
- 家計管理がしやすい:定額支払いで計画が立てやすい。
たとえば40歳で月額4,000円の保険料を払っておけば、80歳になってもその金額のままで保障を受けられます。
注意すべきデメリット
- 現金化しにくい:途中解約すると元本割れの可能性が高い。
- 必要な医療費以上の支払いになり得る:保険料総額が給付額を上回ることも。
- 使途の限定:他の緊急資金(家電の故障、転職など)には使えない。
たとえば60歳で大きな手術をしなければ、40年保険料を払っても給付を受けない可能性もあります。
向いている人・向いていない人
終身医療保険が向いている人:「医療費の備えを確実にしたい」「貯金が苦手」「長期的に保険料を支払える安定収入がある」
終身医療保険が向いていない人:「いつ何に使うかわからない資金を優先したい」「支出に流動性が必要」「将来的に保険を見直すつもり」
貯金と保険の“合わせ技”も選択肢
現実的な戦略としては、「毎月1万円のうち4,000円を終身医療保険、6,000円を定期預金などの貯金」というように、リスク分散を意識する使い分けが有効です。
また、最近では掛け捨て型の安価な医療保険+貯蓄型の運用商品(つみたてNISAやiDeCoなど)との併用も注目されています。
まとめ:終身医療保険は“貯金の代替”ではなく“補完”と考える
終身医療保険は、貯金の代わりというよりも、「医療費に特化した強制的な備え」です。確かに心強いですが、自由度の高い貯金と使い分けることで、より柔軟な家計管理が実現します。
無理のない範囲で、保険と貯蓄のバランスを考えた設計を行い、ライフステージに合った備えをしていきましょう。
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