住宅の購入には本体価格のほかにも諸費用がかかり、共有名義で購入する場合はその費用負担の割合についても慎重に考える必要があります。特に資金提供の出どころが異なる場合や、夫婦の口座を一つにして管理している家庭では、名義や贈与の扱いに注意が必要です。
共有名義とは?その割合に基づいた費用負担の考え方
住宅を共有名義で購入するとは、登記上の持分を夫婦や家族で分けることを指します。たとえば夫13/12、妻13/1という登記がされている場合、それぞれの持分割合に応じて、諸費用や維持費なども負担すべきというのが原則です。
この考え方は、後々の贈与税や相続に関するトラブルを防ぐ目的でもあり、税務署が確認することもあります。そのため、持分に対して不相応な金額を一方が負担する場合は、贈与と見なされる可能性があります。
夫婦共同の口座から支払うのは可能か?
生活費を一本化し、夫の給与が妻の口座に振り込まれているようなケースでは、「実質的に夫婦共有財産」として扱われることもあります。ただし税法上は、形式的な資金の出どころが重要とされるため注意が必要です。
例えば、妻の親からの贈与資金を夫の持分に使うと、夫への贈与と見なされて課税対象となる可能性があります。そのため、登記割合や資金提供の背景に応じて、明確に出資者を分けて記録しておくことが重要です。
諸費用を登記持分にあわせて支払うべきか
原則として、登記持分と同じ比率で諸費用を支払うことが推奨されます。今回のように500万円の諸費用に対して、13分の1が妻の持分であれば、妻が約38万円を、夫が約462万円を負担するのが自然です。
ただし、共通の口座に入っている資金から支払う場合、その中の出資割合を説明できるようにしておけば、必ずしも個別の口座から支払う必要はありません。
トラブルを避けるためのポイント
- 資金の出どころ(誰がどの金額を提供したか)を明確にする
- 登記持分との整合性をもたせる
- 可能であれば、支払いごとにメモや記録を残す
- 不明な点は税理士や司法書士に相談する
後々、税務調査や相続の際に、証明資料として利用できるよう、支払記録はできるだけ残しておきましょう。
まとめ:共有名義での購入にはルールと配慮が必要
家の購入に際しては、登記の持分と支払いのバランスが重要です。共通口座から支払っても問題はありませんが、税務上のリスクを避けるためにも、誰がいくら出したか、記録をしっかりと管理することが求められます。
疑問がある場合は、購入前に専門家(税理士・司法書士など)に確認しておくことで、安心して家の購入を進めることができます。
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