自動車保険は通常1年契約での更新が基本ですが、転職などのライフイベントにより「団体割引が使える保険会社に今すぐ変えたい」と思うこともあるでしょう。では、年1回の更新を待たずに保険会社を乗り換えた場合、等級はどうなるのでしょうか?今回はその仕組みと具体的な選択肢を詳しく解説します。
自動車保険の等級は1年更新が基本
自動車保険の等級(ノンフリート等級)は、原則として契約開始日から1年間の無事故実績により「+1」されます。この評価は更新日に行われるため、途中解約して新しい保険に加入しても、等級は引き継がれるだけで上がりません。
たとえば現在が10等級で契約中の場合、新保険会社に切り替えても「10等級」のままでスタートします。途中乗り換えはあくまで「継続」として扱われます。
等級の情報は保険会社間で共有されている
ノンフリート等級は損害保険料率算出機構を通じて各保険会社間で共有されており、転保(保険会社の変更)しても正確に引き継がれます。したがって、等級を上げるために乗り換えるという戦略は成立しません。
一方で、事故歴(等級据え置きやダウン)も共有されるため、切り替えによって「事故歴をリセット」することも不可能です。
団体割引を受けるなら途中でも切り替え可能
転職先で団体割引が使える場合、年の途中であっても保険会社を変更し、団体割引を適用することは可能です。割引率は企業によって異なりますが、平均で5%〜15%の割引が期待できます。
ただし、現在の契約を中途解約する場合は「月割り」または「短期率」で返金されるため、タイミングによっては損をする可能性もあります。
中途解約のリスクとタイミングの見極め
現在の契約の「満期日までの残期間」によっては、中途解約により保険料の戻りが少なく、結果的に高くつくケースもあります。たとえば満期まで残り1〜2ヶ月であれば、解約せず満期で切り替えたほうが合理的です。
逆に半年以上残っているなら、割引率と新たな保険料の差を比較して、切り替える価値があるかを試算してみましょう。
おすすめの対処法と相談先
- 新保険会社にて「等級の引継ぎ」について確認
- 団体割引の適用条件や加入手続きのタイミングを人事・総務に確認
- 現在の保険会社にて解約時の返戻金計算書を取得
- 複数社の見積もり比較で全体のコストを把握
また、自動車保険は契約開始から8日以内であればクーリングオフが可能な場合もあります。契約時期を見極める際にはこれも覚えておきましょう。
まとめ:等級アップは更新タイミングのみ。ただし団体割引は途中でも有効
結論として、保険会社を途中で変更しても等級は上がりません。等級アップは契約満了(1年)時の無事故実績で決まります。
しかし、団体割引のメリットは今すぐでも活用可能なので、タイミングを見て切り替えを検討する価値は大いにあります。解約返戻金や新保険料を比較して、トータルで得になるかどうかを慎重に判断しましょう。
コメント