社会保険の喪失手続きが遅れたときに起こる影響と対処法｜転職時に気をつけたい手続きの流れ

転職のタイミングで気になるのが、社会保険の手続き。特に前職の退職後、社会保険の喪失手続きが遅れていた場合、次の職場での加入手続きに影響があるのではないかと不安になる方も少なくありません。本記事では、喪失手続きの遅れが転職先の社会保険加入に及ぼす影響や、具体的な対応策について解説します。

社会保険の喪失手続きとは？

社会保険（健康保険・厚生年金）の喪失手続きは、退職後に前職の会社が日本年金機構や協会けんぽ、または健康保険組合に「資格喪失届」を提出することを指します。一般的には、退職日翌日から5日以内に行うことが義務付けられています。

この手続きが完了することで、転職先での新たな社会保険の加入が正式に処理されやすくなります。

転職先の人事担当が加入手続きを行おうとした際、「前職の保険資格がまだ有効になっている」というエラーが表示されるケースがあります。これは、資格喪失手続きが完了していないために起こる現象です。

ただし、転職先での社会保険加入手続きが遅れるというよりも、「処理の確定が遅れる」という側面が強く、加入自体が拒否されることは基本的にありません。

転職先の担当者が年金機構や協会けんぽに加入申請をする際、事務手続きの中で前職の情報（保険番号や加入履歴）が確認されることがあります。その結果として、「○○会社の資格がまだ残っているようです」と説明されることは実際にあります。

とはいえ、転職先に詳細な退職理由や勤務内容まで伝わるわけではなく、あくまで保険資格情報の範囲に留まります。

喪失手続きが遅れると、転職先での保険証の発行に時間がかかる場合があります。この間、医療機関で「自費扱い」になることもありますが、後日、保険証が発行されてから「療養費払い」などで差額を請求可能です。

また、厚生年金の加入にも影響があるため、将来の年金記録にズレが生じないよう、確認は必ず行いましょう。

社会保険の喪失手続きが遅れていても、転職先での加入自体ができなくなるわけではありません。ただし、手続きの確認や証明が必要になる場面もあるため、早めに前職や転職先の人事に連絡を取ることが重要です。入社直後は何かと不安も多いですが、焦らず確実に対応していきましょう。